国土交通省 国土技術政策総合研究所 道路構造物研究部

橋梁研究室

Bridge and Structures Division

研究内容

橋梁研究室の研究内容をご紹介します。

行政等の技術者に対する研修・セミナー

○橋梁初級Ⅰ研修に対する技術支援

 道路法の改正[H25.6]に伴う定期点検の法定化を受け、5年に1度の頻度で、必要な知識と技能を有する者が、近接目視をし、「健全性の診断」を行うことが平成26年7月(省令施行)から義務化されました。

道路構造物管理実務者研修〔橋梁初級Ⅰ〕は、平成26年度より全国の地方整備局(及び北海道開発局、内閣府沖縄総合事務局)(以下、地方整備局等)が主催し、国、都道府県、市区町村の職員を対象に道路橋の定期点検に従事する者に最低限必要な知識と技能を修得させることを目的として、全国統一のテキスト、カリキュラムで実施されています。

 本研修は、道路法施行規則第4条5の6に基づく定期点検を行うために必要な知識と技能の習得に特化された研修です。まず、橋の構造の基本、損傷の特徴や原因を学んだうえで、近接目視を行うときの着目点や、診断を行うときに考慮されるべき項目とそれに対する所見を論理的に説明でき、以て適切な診断の判定区分がなされるための基礎知識を学習します。また、現地で実際に近接目視と診断を行い、その結果を所見として論理的に説明するという技能を実習します。

 本研修では、平成28年度から研修内容の理解度を測るための達成度確認試験を実施しています。橋の構造の基本、損傷の特徴や原因に関する知識問題(学科試験)、及び、現地実習時に現地で近接目視と診断を行った結果を所見として記述する記述式問題(実技試験)から構成されます。

橋梁研究室では、この研修の実施にあたって、テキスト(国総研資料第829号)の作成を支援しました。参考資料として用いられている橋梁損傷事例写真集(国総研資料748号)も橋梁研究室で作成したものです。また、各研修における記述試験問題(実技試験)の作成にあたっては、地方整備局等と当室とで連携し、所見として含まれるべき事項について討議を行った結果が参考にされており、当室では技術基準の策定やテキストを作成した立場からの技術的な助言を行っています。

 健全性の診断については、省令において、その結果を最終的にはトンネル等の健全性の診断結果の分類に関する告示に定めるI~IVに区分するものとされています。この区分をするにあたっては、各診断者は根拠となる所見を有している必要があります。さらに、実際の維持管理を考えると、過去の診断区分を振り返るにあたって、所見が論理的に記載されている記録が残り、後から確認できることが望ましいことは言うまでもありません。また、所見を論理的に記載することは、診断結果の品質確保にも資するものと考えます。 

 そこで、研修テキストについては既に⾃学⾃習⽤として公表しているところですが、このホームページでは、地⽅整備局等研修主催機関の了解の下、これまで出題された知識問題の例を⽰すことにしました。
 また、すでに令和6年度の研修が始まっているところですが、令和6年3月の定期点検要領の改定に伴い、地方整備局等研修主催機関と国総研にて本研修の講義シラバスの見直しや研修資料の見直しを行いました。研修テキスト(国総研資料第829号国総研資料第1232号)については、併せて現在、見直しの作業中です。 研修者のみなさんには、テキストの見直しが完了するまでの暫定版として、テキストに反映する予定の内容を下記の研修資料1から9にまとめましたので、既存のテキスト及び研修機関より配布される講義資料とあわせて参照してください。なお、下記の研修資料1から9の内容については、適宜変更を行う場合がありますので、注意ください。

 なお、研修の内容やテキスト等の内容、また、本ページ掲載の資料等に関して個別の質問や問い合わせには回答しません。また、活用をする場合には、下記記載の<活用にあたっての留意点>を読み理解したうえで活用してください。


以上の内容を読み理解した上で、以下の資料をご活用ください。
※解答は公表しておりません


〔令和6年度 橋梁初級Ⅰ研修資料〕
     
■研修資料
<活用にあたっての留意点>

①本研修資料を利用、一部複写するなどし、橋梁初級Ⅰ研修以外に利用することは、原則として禁じます。ただし、以下の(1)又は(2)の場合には利用を可能とします。
(1)研修者及び、道路橋の定期点検に携わる技術者個人が自習学習に利用すること
(2)公益団体が、一般技術者に対して、実費にて、国土交通省が実施する道路構造物管理実務者    研修(橋梁初級Ⅰ)と同じ研修を開催すると判断でき国土技術政策総合研究所が求めに応じ    て許諾を与えた場合

②本研修資料はあくまで参考資料であり、実際の知識と技能の習得には、単に本研修資料を通読するだけでなく、適当な講師による講義と関連の技術情報の把握、現地での模擬点検実習など一定の研修カリキュラムの履修などそれぞれの管理者による道路法施行規則の解釈としての要求の充足が不可欠です。

③本研修資料の内容は現時点での内容をまとめたものであり、今後、道路橋に関する様々な技術開発や知見の蓄積を踏まえて見直しが図られなければなりません。

④実際の定期点検を実施するにあたり本参考資料の内容に疑義が生じた場合には、個々に、法令及び技術的助言の趣旨に沿って、知識と技能を有する者による適切な判断が求められます。

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