道路通信標準the Road Communication Standards

■データティクショナリとは
 ▼データエレメントの構成
■メッセージセットとは
■プロトコルとは
 
道路通信標準の構成 - データディクショナリ

データエレメントの構成

 ITSシステム間で交換される情報(メッセージ)を誤り無く解釈するために、データディクショナリでは、下図のように情報を構成する各データの定義や意味、品質・精度を定めています。
 データディクショナリにおけるデータの型定義等は、国際標準との整合性を考慮して抽象構文記法ASN.1(Abstract Syntax Notation One)を用いて表記しています。これにより、データのフォーマット、型、長さを意識することなく、システム設計を行うことが可能となりました。

 
属性項目(青字は具体例
1.  データエレメント(DE)名称 (1)クラス名/DE名 当該DEをデータディクショナリ内でユニークに識別するための名称です。データディクショナリ内のデータは定義内容の類似性によりクラス分類される。このクラス名とDE固有の名称を合せて記述しています。
イベント情報/事故対象物 
eventAccidentObject
(2) DE識別コード 当面はデータディクショナリ管理用に使用されるコード番号です。
00900043
2.  データ定義 (1)定義 DEを表わす定義を記述します。当該DEがコード化された値を取る場合にはコードリストも記述します。
事故対象物を、事故対象物コードに合わせて表わす。
{走行車両(1),防護壁(2),中央分離帯(3),法面(4),トンネル壁(5),道路施設(6),路上障害物(7),道路外(8),歩行者(9),該当無し(10),斜面(11),ガードレール(12),防護柵(13),無効データ(98),その他(99)}.
(2) データの表現 i ) 外部表現形式 (データ型) メッセージやデータセットから利用する場合のDEの表現形式を表しています。ASN.1の規定に従って記述されます。
例)CalculationTemperature-
HighQuality::=Integer(-999..999).
ENUMERATED{movingVehicle(1),protective
Wall(2),medianStrip(3),slopeSurface(4),
tunnelWall(5),roadFacility(6),roadSurface
Obstacle(7),outsideRoad(8),pedestrian(9),
nothingCorresponding(10),slope(11),
guardRail(12),protectiveWall.(13),
invalidData(98),others(99).
ii ) 内部表現形式 (データフォーマット) DEの数値表現を表わすフォーマットを規定しています。例)99v9..
この例に対応する外部表現が.Integer(-999..999)のときは実際の数値は小数点以下1桁の実数値だが外部にはこれを10倍して整数化した形式で渡すことを表しています。
99
iii )  データ表現形式 (実際の数値表現) DEの実際の数値の範囲を示しています。例)-60.0..70.0.
1..99
iv ) データ単位 DEの表わす数値の単位を示しています。コード化されたデータなど無次元量の場合は省略されます。例)℃
-
3.  登録ステータス (1)  登録ステータス DEのデータディクショナリ上の利用レベルを示します。
Recorded:記録済 / Incomplete:不完全 / Certified:認定済 / Standardized:正規登録 / Invalid:廃棄 / Restricted:利用制限
recorded
(2) 版数 整数部は正式な版数を示しています。小数部は作業過程における改定版数を示します。
0.01
4.  初期最設定終更新日 (1) 初期設定日 DEの初期登録日を示しています。
2000/01/10
(2) 最終更新日. DEの最終更新日を示しています。
2001/03/15.
5. 最終設定者 登録担当機関を示します。当面は全てHIDO(財団法人 道路新産業開発機構)に設定されています。
HIDO
6.  データ初期設定記録 DEの初期登録時の状態を記録した属性項目です。
(1) 対象サービス,システム DEの登録に関して参照したサービス,システムの名称,構成,概要等状況について示しています。
・インテリジェント情報板システムタスクフォース(H10年度道路通信標準における検討結果)

日本道路公団.交通情報交換インターフェース仕様書
データ名:事故対象物./定義:事故の対象物の種別を示すコード.
{1:走行車両,2:防護壁,3:中央分離帯,4:方面,5:トンネル壁,6:道路施設,7:路上障害物,8:道路外,9:歩行者,10:該当無し,11:斜面,12:ガードレール,99:その他}

首都公団.首都公団交通管制システムインターフェース仕様書.
データ名:事故対象物.
{1:中央分離帯,2:道路障害物,3:施設,4:車両,5:人,6:道路外,7:落下物,8:その他,-1:不明,0:なし}.
異常事態イベント.

(2) データ定義内容. DEの登録時の定義内容を示しています。
事故対象物を、事故対象物コードに合わせて表わす。
{走行車両(1),防護壁(2),中央分離帯(3),.法面(4),トンネル壁(5),道路施設(6),.路上障害物(7),道路外(8),歩行者(9),.該当無し(10),斜面(11),ガードレール(12),.その他(99)}.
(3)その他. 定義時の検討内容などを示します。
-
7.  データ品質、機能、作成方法など DEに関する品質を規定した属性項目です。
(1) 時間性能 (実時間性) DEがセンサなどの計測データを表わす場合は計測タイミングまたは周期を記述します。DEがイベント等判断結果を表わす場合は判断処理タイミングまたは周期を記述します。
-
(2) 数値的な精度 DEがセンサなどの計測データを表わす場合に有効桁数、誤差率、測定可能範囲を記述します。
1~99
(3) データ生成方法. 計測データでは計測方法、判断データを表わす場合は判断ルールまたはデータの生成方法を記述します。
-
(4) 信頼性 (データの欠落の発生に対する許容段階) レベル1:人命に係る等の非常に高い信頼性が必要なサービスが用いるデータで、データの欠落を認めないもの。
レベル2:データの欠落は認めるが、欠落データについては補正データにより補完される。
レベル3:データの欠落が認められるもの。.
レベル2:データの欠落は認めるが、欠落データについては補正データにより補完される.
8. データ定義変更履歴(変更毎に追記) DEに対する規定内容の変更が生じたときに、変更内容および、変更理由を記録した属性です。
V0.10.2001/02/01無効データの設定
V0.10.2001/03/15定義内容や品質が同様と考え実証検討対象システムの情報項目を共通化した。
9. 関連DS このDEが利用されているDSを記述します。
個別システム用DS/道路交通関連情報DS/事象情報DS/交通事故情報DS