道路通信標準the Road Communication Standards

■データティクショナリとは
 ▼データエレメントの構成
■メッセージセットとは
■プロトコルとは
 
道路通信標準の構成 - データディクショナリ

データディクショナリとは

 ネットワークに接続することの利点は、情報を共有化できることであり、交換される全情報は誰もが理解できる必要があります。人が手紙やメールをやりとりする場合に、辞書で漢字や意味を確認したり熟語の使い方等を参照するように、データディクショナリは、ネットワークに接続する装置毎のアプリケーションソフト開発者が参照する全てのデータとその使い方が定義されているデータ集合体の総称です。 一般的な例として手紙を書く際の作業に対応させると、下図のような関係になります。

データディクショナリの役割

 データディクショナリは、まさに手紙を書くのに必要な単語の意味や使い方を表した辞書に対応し、通信されるデータの定義や品質等を規定するものです。手紙では単語を組合せて文を作りますが、1つの文、すなわち伝えたい内容のひとかたまりがデータセットに対応します。伝えたいことが2つある場合は2つのデータセットを使います。手紙は、時候の挨拶、本文、結びの言葉、の順番で書かれるが、この手紙の書き方がメッセージセットに対応します。


       ITSシステムにおける相互のアプリケーション間で情報を交換する場合は、データの集合体である情報を集め利用目的に対応したメッセージという型で抽象化しています。メッセージの具体的内容を規定するためには、情報を構成する各データの定義を明らかにし、アプリケーションの要求に対応したデータを選択してそのデータをどのように並べるかを規定する必要があります。 情報を交換するアプリケーション間で構成するデータの意味が異なっていた場合、受け取った側で誤って認識したり、正しく認識するための変換処理が必要となり効率的な情報の交換が行えなくなることが考えられます。


 データディクショナリの目的は、意味ある最小単位のデータの名称、意味、表記方法等を一意に定義することで、データを共有するアプリケーションがそのデータを誤り無く選択・利用できるようにすることです。これによって,システム間で交換される情報(メッセージ)の解釈を誤りなく行えることを保証し、信頼性の高いサービスの実現を促進することができます。下図の例では従来、道路管理者間でデータ定義が異なっていたためにデータ交換が面倒であったのに対して、データディクショナリにある共通のデータ定義を使うことによりデータ交換がスムーズに行われることを示しています。

データ定義の共通化によるメリット