各研究分野

密集市街地の整備促進に関する研究

 首都直下地震や南海トラフ地震等の巨大地震が想定される中、「住生活基本計画(全国計画)」で定められた「地震時等に著しく危険な密集市街地(危険密集市街地)」を始めとする密集市街地の安全性の向上は喫緊の課題となっています。

 当研究室では、地方公共団体におけるマンパワー・財政面の厳しい状況下において、密集市街地の安全性向上に向けた取り組みを、効果的かつ効率的に推進するための方策について研究を行っています。

※ 密集市街地のうち、延焼危険性や避難困難性が特に高く、地震時等における最低限の安全性が確保されていない、著しく危険な密集市街地

密集市街地整備の加速化に向けたきめ細かな整備方策に関する研究

 密集市街地整備の阻害要因は、狭小敷地、接道不良敷地、借地・借家等の権利関係の複雑さ、地権者の高齢化等様々です。また、地方公共団体におけるマンパワー・財政面の厳しい状況下において、街区外縁部(いわゆる“ガワ”)での一定規模の道路・公園整備や共同建替え等、従来からの骨格的な公共投資型の整備に加え、条件不利敷地等が集積し整備改善の遅れている街区内部(いわゆる“アンコ”)を改善するためには、規制誘導手法の活用等のきめ細かな整備方策や、民間活力の活用を併用することも有効です。

 本研究では、主として整備改善の遅れている密集市街地の“アンコ”部分に焦点を当て、様々な物理的・社会経済的な整備阻害要因を多面的に分析し、これら整備阻害要因に対する地方公共団体や民間事業者のきめ細かなハード、ソフトの整備事例について調査を行い、密集市街地の整備改善に取り組む地方公共団体等に参考にしていただけるよう、事例集として取りまとめました。