浸水対策技術情報
<目的>
効果的な浸水対策の推進のためには、浸水計測技術や浸水予測技術等の浸水対策技術(以下「浸水対策技術」 という。)の導入が有効ですが、現状、導入事例はあまり多くありません。そのため、地方公共団体における浸水対策技術の導入時の参考となる浸水対策技術に関する情報を集約した一覧表を作成するとともに、浸水対策技術の導入事例を整理しました。
浸水対策技術一覧表
浸水対策技術一覧表は、業界誌、文献等の既存資料(2023年より過去5年程度)やインターネットより情報を収集し、作成しました。
業界誌 | 月刊下水道、下水道協会誌、下水道情報、水坤、日本下水道新聞、日経コンストラクション |
文献 | 下水道研究発表会講演集、土木学会論文集B1(水工学)、河川技術論文集 |
調査研究成果 | 下水道新技術研究所年報(公益社団法人日本下水道新技術機構) 技術マニュアル・技術資料(公益社団法人日本下水道新技術機構) |
収集した浸水対策技術の情報は、降雨計測技術、浸水計測技術、降雨予測技術、浸水予測技術、施設運転支援技術の5技術に分類し整理を行いました。(水位、流量計測技術は対象外)
降雨計測技術 | 降雨量の計測を行う技術 |
浸水計測技術 | 地表面の浸水状況を計測する技術 |
降雨予測技術 | 気象レーダ等の観測データを利用して降雨予測を行う技術 |
浸水予測技術 | 排水区の特性を反映した氾濫現象を解析し、浸水状況を予測する技術 |
施設運転支援技術 | 浸水対策施設の運転をサポートする技術 |
〈注意事項〉
※既存資料やインターネットより一覧表の作成に十分な情報収集ができた浸水対策技術を掲載しています。
なお水位、流量計測技術については既存の手引き1)やマニュアル2)で整理されているため、一覧表
の掲載の対象外としました。
1) 国土交通省水管理・国土保全局下水道部、下水道管きょ等における水位等観測を推進するための手引き(案)、令和6年3月
2) 一般社団法人全国上下水道コンサルタント協会、下水道管路内流量・水質調査マニュアル、2016年2月
※一覧表に掲載した浸水対策技術は、既存資料やインターネットより収集した情報を整理した結果であり、
すべての浸水対策技術を網羅したものではありません。また、各浸水対策技術の性能等を保証するもの
ではありません。
※国土技術政策総合研究所は本資料を活用した結果について、一切の責任を負いません。
導入事例
令和5年度に国土交通省が実施した下水道事業における浸水対策技術の利用状況についてのアンケートの結果、他の浸水対策技術と比較して浸水計測技術と施設運転支援技術の導入が進んでいないこと分かりました。そこで、アンケートの回答を基に、効果的な浸水計測技術又は施設運転支援技術を導入している地方公共団体のうち3団体を対象にヒアリング調査を行い、導入事例をまとめました。
