国土交通省では、道路管理の支援システムや走行支援サービス等への利用に期待されている大縮尺道路地図(道路基盤地図情報)を、平成18年8月から直轄国道を対象に、高速道路各社も同様に整備を推進しており、一定の見通しが立ってきた状況となっています。
国道管理の支援システムへの利用の面では、国道事務所の管理区間全線に亘る一定レベルの道路基盤地図情報の整備が前提となり、走行支援サービスや戦略的道路インフラメンテナンスの実現のためには、より具体的に官民保有の技術を相互に提供し合い、大縮尺道路地図を整備・更新する手法を研究する必要があります。
これらを踏まえ、未整備区間の道路基盤地図情報を効率よく整備・更新する可能性や産学ニーズを探るため、平成22~23年度に道路基盤地図情報の試行提供を実施しました。その結果、官民の各機関保有の地図等との親和性を確認できたことに加え、道路基盤地図情報は走行支援サービス等の実現に資するとの報告を民間事業者から得ることができました。このような背景から、官民の各機関保有の地図、図面や計測アーカイブ(点群座標データ)等の既存資源を活用した大縮尺道路地図の整備・更新の実現を目指し、産学官による共同研究を平成25年度から2カ年計画で開始しました。
① 道路基盤地図情報の整備・更新手法の研究
各機関保有の地図等を活用し、直轄国道の未整備区間や地方道の道路基盤地図情報を道路網として効率よく整備・更新する手法を確立します(図-1参照)。
図-1 各機関保有の地図等を活用した道路基盤地図情報の整備イメージ
② 走行支援サービスに必要な大縮尺道路地図の整備・更新手法の研究
道路基盤地図情報を元に、また各機関保有の地図等も活用しつつ、走行支援サービスに必要な大縮尺道路地図を整備・更新する手法を確立します(図-2参照)。
図-2 大縮尺道路地図の道路構造データを活用した安全運転支援(走行支援)のイメージ
GIS・ITSチーム: 今井 龍一、井星 雄貴、松井 晋、木村 篤史、深田 雅之
(2013年7月更新)