Q5.地震や台風の際、瓦が落ちたり、飛んだりしないようにするには、どうすれば良いの?
新築および改修工事の契約前に「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」により設計・施工することが可能であるかを、元請けの担当者に確認されることが推奨されます。旧工法およびガイドラインの仕様の主な特徴を以下に示します。
1)棟部の緊結
地震の際、最も被害が多いのが和瓦を使用した棟部となります。旧来の構法(図1上部)は、土や針金状の結束線を使用していますが、下地へ緊結しておらず脱落しやすい仕様といえます。
一方、ガイドラインの構法(図1下部)は、ボルトや金具など使用して、下地に強固に緊結しているため、地震時や台風時に脱落・飛散しにくい仕様です。
[図1] 棟が脱落しやすい旧構法と、脱落しにくいガイドラインの構法の例
2)半端 瓦 の留め付け
屋根の流れ長さ(勾配のある方向の長さ)と瓦の長さの関係により、平部の最上部(棟付近)の瓦を短くしなければならない場合があります。その瓦を半端瓦(写真5)といい、この瓦を留め付けないと半端瓦や棟部(屋根の頂部)が地震や台風の際に脱落することがあります。
ガイドラインの構法は、この半端瓦を適切に留め付け、飛散・脱落しにくい仕様となっています。
[写真5] 半端瓦の留め付け
3)勝手 瓦 の留め付け
屋根の谷部や下記の
ガイドラインの構法は、この勝手瓦を適切に留め付ける構法となっています。
[図2] 勝手瓦の留め付け
4)平部、軒先、けらばの瓦の留付け
和瓦(J形瓦)の施工は、瓦屋根標準施工要領書(JKY-2014)、平板瓦の施工は、瓦メーカーの施工要領書などが参考となります。