長持ち住宅の選び方

本ウェブサイトは、国土交通省 国土技術政策総合研究所の主催による産学官連携の共同研究の成果の一部です。

ライフサイクルコスト(Life cycle cost, LCC)

ライフサイクルコストLife cycle cost,LCC)は、住宅の場合,建設から解体に至るまでの総費用(生涯費用)を示すものです。建築取得予定者は,住宅を建設する際に建設費用(初期費用,Initial cost)が必要となります。建設費が高額であるため,建設当時は建設費のみに目が行きがちですが,耐久性の低下に著しく影響を及ぼす構法や低品質の材料・部材を採用した場合,住宅全体の耐久性にも影響を及ぼすことがあります。

例えば,低品質な防水紙を使用すると,防水紙より内部へ雨水が浸入することがあり,下地合板,躯体材(柱や梁など),接合金物などが劣化(腐朽・蟻害,腐食)することがあります。また,耐久性の低い外装材を使用した場合,外装材の交換費用だけではなく,足場の設置や除去費用も必要になり,改修費が高額になり得ます。

断熱・気密性能が低い場合は,エネルギー消費量(ランニングコスト)が増大することが考えられます。

このように,建設費を低減させた影響で設計・施工・施工管理が不適切な場合も耐久性に影響を及ぼす恐れがあります。

従って,イニシャルコストだけではなく,ライフサイクルコストやライフプラン(人生設計)も考慮し,費用対効果(コストパフォーマンス)の高い住宅を計画することが重要になると思われます。

新築時に支払う建築費(初期費用)は、将来、必要な見えにくい費用となり、氷山の一角のようです。