#
海岸の研究 English Page
海岸研究室

海岸研究室 研究テーマ
[2]津波・高潮

2.粘り強く効果を発揮する海岸堤防の構造検討

 中央防災会議「東北地方太平洋沖地震を踏まえた地震・津波対策に関する専門調査会」の報告で示された「設計対象の津波高を超えた場合でも施設の効果が粘り強く発揮できるような構造物」の考え方を受け,「海岸における津波対策検討委員会」がとりまとめた「平成23年東北地方太平洋沖地震及び津波で被災した海岸堤防等の復旧に関する基本的な考え方」において,海岸堤防等の構造上の工夫の方向性が示されています.その中では,設計対象の津波高を超える津波が来襲し,海岸堤防等の天端を越流することにより,海岸堤防が破壊,倒壊する場合でも施設の効果が粘り強く発揮できるような構造を,以下のいずれかの減災効果を目指した構造上の工夫が施されたものとしています.

・施設が破壊,倒壊するまでの時間を少しでも長くする
・施設が完全に流失した状態である全壊に至る可能性を少しでも減らす

 そして,そのような構造上の工夫の方向性として,裏法尻部への保護工の設置による洗掘防止や,裏法被覆工等の部材厚の確保等による流失防止などが挙げられています.
 東北地方太平洋沖地震の津波で被災した海岸堤防の復旧は,各県等において実施されることとなりますが,仙台湾南部海岸においては,国により実施される区間があります(東北地方整備局実施区間は約30km).それら一連の復旧において上記の構造上の工夫を施すため,その技術的手法に関するより具体的な知見が求められています.
 このような背景のもと,国土技術政策総合研究所では,国土交通省水管理・国土保全局海岸室および同東北地方整備局と連携して,構造上の工夫および施工上の留意点の検討を,模型実験や解析等により行っています.

 粘り強く効果を発揮する構造上の工夫に関して模型実験や解析等で実施した現時点の検討結果については,平成24年5月14日に【第1報】,平成24年8月10日に【第2報】を国総研技術速報として発表しています.また,平成26年4月には,土木学会論文集に論文を発表しています.

第1報
粘り強く効果を発揮する海岸堤防の構造検討(第1報)

第1報に関連する実験ビデオ集
越流による裏法尻の洗掘(越流水深2m,堤防の比高9m)(第1報の写真-3に対応)
保護工による洗掘防止(越流水深2m,堤防の比高9m)(第1報の写真-4に対応)
水圧差による揚圧力1(越流水深2m,堤防の比高9m)(第1報の写真-6に対応)
水圧差による揚圧力2(越流水深2m,堤防の比高6m)(穴の空いたアスファルト舗装の流失)
残留水位による裏法尻からの吸い出し(越流水深10m,堤防の比高6m)(第1報の写真-7に対応)
負圧による法肩ブロックの流失(越流水深2m,堤防の比高6m)(第1報の写真-8に対応)
不陸によるブロック流失1(越流水深2m,堤防の比高6m)(第1報の図-6に対応)
不陸によるブロック流失2(越流水深2m,堤防の比高5m)(第1報の図-6に対応)

第2報
粘り強く効果を発揮する海岸堤防の構造検討(第2報)

第2報に関連する実験ビデオ集
負圧による裏法肩の破壊(越流水深10m,堤防の比高5m,地盤改良有り)(第2報の図-3,5に対応)
吸い出しによる裏法被覆工の破壊(越流水深10m,堤防の比高6m)(第2報の図-3,5に対応)
負圧による裏法被覆工のめくれ(越流水深10m,堤防の比高9m)(第2報の図-12,14に対応)
越流時の状況(越流水深2m,堤防の比高5m,地盤改良無し)(第2報の図-21に対応)
越流時の状況(越流水深2m,堤防の比高5m,地盤改良有り)(第2報の図-22に対応)
越流時の状況(越流水深3m,堤防の比高5m,地盤改良無し)(第2報の図-23に対応)
越流時の状況(越流水深3m,堤防の比高5m,地盤改良有り)(第2報の図-24に対応)
越流時の状況(越流水深2m,堤防の比高5m,地盤改良無し)(第2報の図-25に対応)
越流時の状況(越流水深2m,堤防の比高5m,地盤改良有り)(第2報の図-26に対応)

海岸堤防の粘り強い構造のアウトリーチ動画について

 従来の海岸堤防と粘り強い構造の違いを比較する実験を行いましたのでご紹介します.

堤防断面(上:従来の構造、下:粘り強い構造)


従来の構造


粘り強い構造



1/25実験アウトリーチ動画(左が粘り強い構造・右が従来の構造,越流水深3m(現地換算),堤防の比高5m(現地換算))



1/2実験アウトリーチ動画(左:粘り強い構造,越流水深2m(現地換算),堤防の比高5m(現地換算)・右:従来の構造,越流水深1.5m(現地換算),堤防の比高6m(現地換算)




back