水道研究室

水道を取り巻く課題

 現在の日本では、殆どの国民が安全な水にアクセスすることが可能となっています。

 一方で、高度経済成長期に一斉に整備された水道管路をはじめとする水道設備の老朽化が進行し、法定耐用年数(40年)を超えた水道管路の割合は年々上昇しており、 近年では多くの漏水・破損事故が全国各地で発生しています。 また、特に水道管路の耐震化が進んでいない水道事業体では、大規模災害時の水道管路の破損並びに断水の長期化のリスクを有しています。 さらに、人口減少や節水の浸透等に伴う水道料金収入の減少により、多くの水道事業者では経営状況が悪化しており、水道職員数は年々減少していることから、水道サービスを現在と同水準に維持していくことが困難となる恐れがあります。

 これらの課題を解決し、将来にわたり、安全な水の安定供給を維持していくために、水道事業の基盤強化を図ることが必要となります。

水道研究室創設の背景

 従来、下水道は国土交通省、上水道は厚生労働省で、水道整備・管理行政を管轄してきましたが、社会資本の整合的な整備に関する知見等の活用による水道事業の基盤強化等の観点から、 2024年4月1日に水道整備・管理行政が厚生労働省から国土交通省に移管されました。

 上下水道一体での技術支援や研究などに取り組む体制を構築し、機能強化を図るため、国総研では「水道研究室」が新たに創設されました。

水道研究室の役割

 水道研究室では、水道設備の老朽化の進行、大規模災害時の水道設備への被害、経営状況の悪化や水道職員数の減少等、 水道を取り巻く課題の解決に寄与する、水道に関する調査、試験、研究および開発並びに技術の指導に取り組んでいきます。