(1) 酸素濃度と鉄細菌のスライム生成量に関する試験
 鉄細菌によるスライム生成量が、集水パイプ内の酸素濃度を減少させることでどのように変化するかを試験しました。なお、スライム生成量は主成分である酸化第二鉄の量として測定しました。
 図-2は試験装置です。試験では、ガラスビンに鉄細菌を含んだスライムを地すべり地の地下水に溶かし入れ、それらをチューブで連結し、酸素濃度を調整した窒素・酸素混合気体を最大10日間にわたって流し続けました。また生成された酸化第二鉄の量は、2日毎にガラスビンを1本はずし壁面に付着した量を測定しました。なお、鉄細菌以外による酸化第二鉄の生成も考えられるため、ホルマリンにより鉄細菌を死滅させた試料をブランク(基準値)としました。
図-2 酸素濃度に関する試験装置

図-2 酸素濃度に関する試験装置

図-3 酸素濃度と酸化第二鉄生成量との関係

図-3 酸素濃度と酸化第二鉄生成量との関係

 図-3は、酸素濃度別の酸化第二鉄の量を示したものです。 酸化第二鉄の量は酸素濃度5%を境に増加する傾向があります。
 この結果、鉄細菌によるスライム生成は、空気中の酸素濃度を5%以下にすることにより抑制できる可能性のあることが分かりました。
(2) 通電による鉄細菌のスライム生成量に関する試験
 水中に直流電圧を加えた場合、鉄細菌によるスライム生成量が、その電圧の強さによりどのように変化するかを試験しました。
 図-4は、試験装置です。試験では酸素濃度に関する試験と同様に試料を作成し試験しました。
図-4 電圧に関する試験装置

図-4 電圧に関する試験装置

図-5 直流電圧と酸化第二鉄生成量との関係

図-5 直流電圧と酸化第二鉄生成量との関係

 図-5には、水中に加えた電圧別の酸化第二鉄の量を示しました。0V、0.5Vでは酸化第二鉄の量がブランクより大きな値を示しますが、1.0V以上では急激に小さな値を示しています。
この結果、鉄細菌によるスライム生成は、水中に1.0V以上の直流電圧を加えることにより抑制できる可能性のあることが分かりました。
(文責:丸山)

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