研究成果概要


国総研資料 第 586 号

【資 料 名】 生物生息に配慮したテラス型護岸の造成に際して考慮すべき視点

【概   要】 近年,劣化の著しい沿岸域環境の再生,修復の取り組みが求められている.構造面および水質面において制約の多い都市臨海部においては,港湾機能と自然環境の調和を図りつつ,限られた海辺空間を有効に活かすことが重要である.こうした中,東京湾の湾奥部に位置する芝浦運河において,直立護岸の老朽化対策として生物生息に配慮したテラス型護岸が造成された.本研究は,芝浦アイランドのテラス型護岸での観測および数値モデルを用いた検討により,生物生息環境条件を指標とするテラス型護岸の造成のための基本的な考え方を整理することを目的とする.テラス上の潮溜まりおよびテラス前面の芝浦運河の生物生息場としての環境特性を把握するため,塩分,溶存酸素(DO)濃度,水温の連続観測を行った.特に,生物生息の支配要因と考えられる潮溜まり内のDO濃度の支配要因を特定するため,潮溜まり底面の酸素生産速度・酸素消費速度,潮溜まり内の水の透明度・海水交換率・水深および運河より流入する水のDO濃度の6項目をパラメータとして数値モデルを用いた感度解析を行った.芝浦運河のテラス型護岸における観測および数値計算によって,生物生息環境条件を指標としたテラス型護岸の造成のための基本的な考え方が整理された.

【担当研究室】 海洋環境研究室

【執 筆 者】 梅山崇,古川恵太,岡田知也



表 紙 377KB
中 扉 21KB
目 次 14KB
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奥 付 112KB


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