研究成果概要

国総研資料 第 1335 号


【資 料 名】 GNSS鉛直測位による港湾工事における測深作業の効率化(その2)
~深浅測量及び浚渫工・床掘工等への適用~
【概   要】

 GNSS測位による水深(鉛直位置)の計測により,深浅測量及び浚渫工・床掘工等の施工管理・出来形管理の効率化と, 地震・津波等の災害発生時における深浅測量・海上工事の迅速な実施が期待できる. しかし,最低水面の楕円体高が不明なため,GNSS測位による水深(鉛直位置)の計測が海上工事では実用化されていない.
 近年,国土地理院により沿岸部を含む全国の航空重力測量が実施されて,新しいジオイド・モデル「ジオイド2024日本とその周辺」が構築された. このジオイド・モデルは,これまでに使われて来たジオイド・モデルよりも沿岸部の精度が向上しており, これを活用して海上保安庁により最低水面の楕円体高の算出が進められて来たことから, 本研究は,GNSS測位による水深(鉛直位置)の計測を海上工事へ導入することを目的として, 深浅測量及び浚渫工・床掘工等の施工管理・出来形管理の現場で実証試験を行った. 深浅測量に関しては,合計8ヶ所の現場でマルチビーム測深を実施した. また,施工管理・出来形管理に関しては,床掘工・浚渫工・地盤改良工・基礎捨石工の4つの工種を対象に, 合計10ヶ所の現場で,作業船の高さ(鉛直位置)の計測を実施した.現地試験の結果から, 潮位観測を利用する従来の潮位補正とGNSS測位を利用する潮位補正の間で,水深の計測結果及び作業船の高さ(鉛直位置)の計測結果について, 差の平均値が概ね0.1m以内に収まることを確認した. 深さの測定の不確かさの限度や出来形管理基準の測定単位・許容範囲を考慮すると,GNSS測位による潮位補正が,深浅測量及び施工管理・出来形管理として一定の精度を有しているものと評価できた.

【担当研究室】 港湾業務情報化研究室
【執 筆 者】 辰巳大介、宮田正史、須山翔太、早川武尊、末廣文一、川原洋、瀬水幸治


研究資料全文

全 文

9,037KB
 

1. はじめに

1.1 背景と目的
1.2 既往研究

2. 深浅測量への適用

2.1 深浅測量を対象とした現地試験の概要
2.2 釜石港における現地試験
2.3 中城湾港における現地試験
2.4 敦賀港における現地試験
2.5 境港における現地試験
2.6 備讃瀬戸航路における現地試験
2.7 中山水道航路における現地試験
2.8 竹富南航路における現地試験
2.9 深浅測量を対象とした現地試験の結果のまとめ

3. 浚渫工・床掘工等への適用

3.1 浚渫工・床掘工等を対象とした現地試験の概要
3.2 横浜港における現地試験(床掘工)
3.3 広島港における現地試験(床掘工)
3.4 大阪港における現地試験(浚渫工)
3.5 八代港における現地試験(地盤改良工)
3.6 函館港における現地試験(地盤改良工)
3.7 室津港における現地試験(基礎捨石工)
3.8 和歌山下津港における現地試験(床掘工)
3.9 徳山下松港における現地試験(浚渫工)
3.10 中城湾港における現地試験(浚渫工)
3.11 関門航路における現地試験(浚渫工)
3.12 浚渫工・床掘工等を対象とした現地試験の結果のまとめ

4. おわりに

4.1 主要な結論
4.2 今後の課題

参考文献

付録 「港湾工事における衛星測位活用に向けた検討会」の概要