研究成果概要


国総研資料 第 921 号

【資 料 名】 港湾施設の点検診断結果を踏まえた維持管理における配慮事項に関する検討

【概   要】  港湾施設は高度経済成長期に集中的に整備されたことから,建設後50年以上となる施設が今後急増する状況にある.また,厳しい自然環境下に置かれることから,供用期間中に施設の性能が低下する場合が多い.そのため,港湾施設では効率的かつ効果的な維持管理の実施によって既存施設の維持・更新等を図ることが求められている.
 このような状況において,平成25年度に国有港湾施設に対して,施設の機能不全等に対応する目的で集中点検が実施された.この集中点検は全国の多数の港湾施設で実施され,変状に関する貴重な情報が得られたことから,港湾施設の変状傾向に対して,分析できる事項が数多く存在している.
 一方で,港湾施設は構造物の大部分が海中または土中にあり,その上,供用中であることによる制 約を受けるため,維持管理段階で変状への対応はできることが限られている.そのため,設計・施工・点検時において調査方法や補修方法等をあらかじめ想定し,維持管理が容易に行えるように配慮することが望まれている.
 そこで,本検討は効率的かつ効果的な維持管理に資することを目的に,平成25年度に実施された集中点検結果から,防波堤におけるケーソン側壁の損傷や,岸壁における洗掘などの変状を整理した上で,構造の特徴や利用実態などを基に,これらの変状の発生要因を分析し,設計・施工・点検時の維持管理における配慮事項についてとりまとめた.

【担当研究室】 港湾施設研究室

【執 筆 者】 高野 向後,井山 繁,坂田 憲治,藤井 敦,宮田 正史,西岡 悟史



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