研究成果資料


国総研資料 第 781 号

【資 料 名】 2011年東北地方太平洋沖地震津波による海岸保全施設の被害調査(その2)

【概   要】  本調査は,海岸保全施設の耐津波設計に資するため,2011年東北地方太平洋沖地震及び津波による同施設の被害について把握することを目的として,岩手県及び宮城県の8港19地区の海岸保全施設等を対象に被害調査を行い,胸壁及び護岸を中心とした被害状況を記録した.さらに胸壁について,軽微な被害から比較的大きな被害までの被害類型を整理した.
 既報(国土技術政策総合研究所資料No.658)で得られた知見に今回得られた知見を加えて,2011年東北地方太平洋沖地震及び津波により,胸壁について「堤体の破壊」に関する被害類型としては,1) ひび割れ・化粧板剥離,2) 漂流物の衝突・堤体同士の接触による欠損,3) 堤体上部の破壊が生じていたことが分かった.「地盤の洗掘・堤体の変位」に関する被害類型としては,4) 軽微な地盤洗掘・舗装被害,5) 越流した流れによる地盤洗掘,6) 引波による地盤洗掘,7) 引波による堤体の小規模な滑動・傾斜,8-1) 波力による堤体の転倒,8-2) 波力・洗掘の複合要因による堤体の転倒が生じていたことが分かった.また,「運用上の機能不全」に関する被害類型としては,9) 船舶,ガレキ,土砂等の堆積,10) フラップゲートの開閉不全,11) 陸閘の破損,12) 地域全体の地盤沈下で嵩上げが必要との被害が生じていたことが分かった.以上のとおり,地震及び津波による胸壁の被害類型を12種類に整理した.

【担当研究室】 沿岸防災研究室

【執 筆 者】 熊谷 兼太郎,永廣 迪,淺井 正,宮田 正史
松田 茂,鷲谷 忠彦,鎌木 雅之



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