研究成果概要


国総研資料 第 710 号

【資 料 名】 鋼道路橋の受熱温度推定に関する調査

【概   要】  近年,火災により道路橋に重大な被害が生じる例が報告されている.鋼橋が火災による熱影響を受けた場合,受熱の程度によって鋼部材の力学的特性に及ぼす影響が異なることから,供用可否の判断や補修補強内容の検討には,受熱影響を迅速かつ正確に見積もることが求められる.
 一方,様々な仕様の塗装が施される鋼板では受熱程度に応じて塗膜の損傷状況が異なることから,塗装仕様毎に受熱程度と塗膜損傷の関係を明らかにしておくことで,被災時の被害程度の推定に活用できるものと考えられる.そのため,鋼道路橋で代表的な塗装系の鋼板に対してガス炉及び電気炉を用いて受熱条件を統一した加熱試験を行い,加熱条件と塗膜変状状況との関係を調査するとともに,被災時に正確な対比ができるよう撮像条件を定めて損傷状況の記録を行った.
 本資料は,火災による被災を受けた鋼道路橋の塗膜が種類や熱の加え方によってどのように変化するのかについて体系的にとりまとめるとともに,受熱温度を推定する際の参考資料として,「鋼部材の被災温度推定用塗膜損傷見本集」としてとりまとめたものである.

【担当研究室】 道路構造物管理研究室

【執 筆 者】 玉越隆史,大久保雅憲,石尾真理,横井芳輝



 
表紙 279KB
中扉・はじめに 449KB
目次 422KB
   
本文  
1. 概要 3,047KB
  1.1 目的  
  1.2 語句の定義  
  1.3 研究の流れ  
2. 試験方法 23,372KB
  2.1 概要  
  2.2 供試体  
  2.3 火災曲線  
  2.4 試験方法  
  2.5 加熱試験後の鋼板の引張試験  
3. 作製した供試体に対する各種加熱試験の結果 24,909KB
  3.1 開放型ガス炉加熱試験結果(時間をパラメータとした試験)  
  3.2 開放型ガス炉加熱試験結果(温度をパラメータとした試験)  
  3.3 開放型ガス炉接炎試験結果  
  3.4 電気炉加熱試験(時間をパラメータとした試験)  
  3.5 電気炉加熱試験(温度をパラメータとした試験)  
  3.6 開放型ガス炉加熱試験と電気炉加熱試験との比較  
4. 撤去された橋梁から切り取った供試体に対する各種加熱試験の結果 28,517KB
  4.1 開放型ガス炉加熱試験結果  
  4.2 電気炉加熱試験の結果  
5. 加熱試験後の鋼材の引張試験結果 3,043KB
  5.1 引張試験前の試験片の外観状況  
  5.2 引張試験後の試験片の外観状況  
  5.3 引張試験結果  
6. 総括 2,191KB
  6.1 まとめ  
  6.2 今後の課題  
附属資料  
1. 鋼部材の被災温度推定標本作製方法(案) 4,902KB
2. 鋼部材の被災温度推定標本撮影方法(案) 1,456KB
3. 鋼部材の被災温度推定用塗膜損傷見本集(案) 21,456KB
   
奥付 357KB
   
全文 54,693KB

 
正誤表 618KB


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