【概 要】 | 2007年に改正された「港湾の施設の技術上の基準・同解説」では,矢板式係船岸の永続状態に対する照査においてレベル1信頼性設計法(部分係数法)が導入され,基準・同解説において標準的な部分係数が参考提示されている.しかしながら,タイ材の応力照査に関して,港湾工事のタイ材として使用されるタイロッドとタイワイヤーのうち,タイワイヤーに対する部分係数については当時検討されていないため,提示するに至っていない.そこで,本研究では,永続状態に対する矢板式係船岸のタイワイヤーの応力照査を対象として,タイワイヤーの降伏強度に対する部分係数について検討した.また,基準・同解説において参考提示されている標準的な部分係数の設定根拠等について,設計者の便を考慮してあらためて整理した. |