研究成果概要


国総研資料 第 466 号

【資 料 名】
クルーズ客船寄港地の魅力度評価に関する研究

【概   要】
フェリー,クルーズ船等を利用した海上旅客流動は,貨物流動とともに海上輸送の重要な構成要素となっている.最近では,国のビジット・ジャパン・キャンペーンなどを背景に観光・レジャー関連の需要増も期待されているとともに,クルーズ客船は相対的に運航頻度が低いものの,入港すれば港やその背後圏に大きな経済効果やブランド的価値をもたらすものとして注目されている.しかしながら,クルーズ客船観光の観点から見た寄港地の魅力度に関する評価や,船社による寄港地の選択行動などを対象とした研 究はこれまでほとんど存在せず,クルーズ客船誘致等の施策の効果を定量的に把握することは困難であった. そこで,本研究では,クルーズ客船寄港地の魅力度を定量的に評価することを目標に,はじめに,クルー ズ客船の運航・利用状況について把握したうえで,旅客がクルーズツアーの選択において重視している要素を把握するため,アンケート調査を実施した.次に,各寄港地の観光地としての魅力度について,旅客に対して実施したアンケート結果をもとに,階層分析法(Analytic Hierarchy Process:AHP)によって,観光要素や寄港地の重要度を算定し,寄港地の魅力度評価を行った.さらに,アンケート結果も利用しながらより簡便に魅力度評価を行う方法を提案し,これに基づき国内外の港湾(寄港地)を対象として魅力度ランキングの作成を試みた. 結果として,クルーズ客船寄港地における魅力度評価の方法として,本研究で提案した2つの手法,すなわち,?@旅客に対してアンケート調査を実施し,結果に対してAHPを適用,?A?@の結果とガイドブック の記載内容等に基づく客観的評価の組み合わせ,の両者の手法が,いずれも概ね有効な方法であることを示すことができた.

【担当研究室】 港湾システム研究室

【執 筆 者】 柴崎隆一,米本清



          
表 紙 273KB
中 扉 370KB
目 次 365KB
本 文 957KB
 1.はじめに
 2.観光地の魅力度評価に関する既往研究と本研究の特徴
 3.クルーズ客船観光の現状
 4.クルーズ旅客を対象としたアンケート調査
 5.階層分析法(AHP)に基づく寄港地魅力度の評価
 6.寄港地魅力度ランキングの作成
 7.本研究の成果と今後の課題
 謝 辞
 参考文献
奥 付 53KB


全 文 1,025KB