研究成果概要


国総研資料 第 419 号

【資 料 名】 中国の海域使用権管理制度に関する基礎的調査

【概   要】  1992年の地球サミットで採択された行動計画アジェンダ21以後,沿岸域の統合的管理や持続可能な開発に対する取り組みが国際的に盛んになっている.さまざまな沿岸域管理手法のなかで,経済原理を導入した管理手段に対してその重要性が認識されても,経済原理を導入した沿岸域管理を実施している国が少ないこと,また,実施しても期間がまだ短いことにより,その実施手続きや,その効果の評価などを具体的にどうすればよいかについては,不明な点が多い.そこで,本報告では,文献整理や聞き取り調査などによって,経済原理を導入した沿岸域管理を先進的に実施している中国を例としてあげながら,経済原理を導入した沿岸域管理の理論基礎・実施手法およびその効果評価などを系統的に整理した.こうした整理を行ったのは,沿岸域利用の最適化を目指し,今後の沿岸域管理のあるべき戦略を検討していくための参考情報を提供するためである.公共財といわれてきた沿岸域は,利用需要の拡大と使用技術の進歩によってその使用権を一部私的財として扱ったほうが合理的である場合が増えている.そのため,土地利用のように経済(市場)原理に基づく沿岸域管理が可能となる可能性があり,それを実践する中国での経験の積み重ねは日本の沿岸管理に対し有用な示唆を与えるものと期待される.  

【担当研究室】 沿岸域システム研究室

【執 筆 者】 翟国方・鈴木武



表 紙 104KB
中 扉 178KB
目 次 343KB
1章−5章(p1〜p9) 437KB
付録(p10-p23) 474KB
奥 付 53KB


全 文 678KB