【概 要】 | 港湾の荷役の迅速化を求めるユーザーの希望は強く24時間荷役の開始,IT化による輸出入手続の迅速化が進められている.舗装に対する負荷の増加は顕著であるが,この分野に関しては,港湾技術研究所の時代から専門に研究する研究室が無く,海外の港湾の舗装の研究のフォローなどされていなかった.
そこで本研究では従来の日本の港湾の技術上の基準で作られ,供用されている岸壁等の舗装の破損実態に関するアンケート調査(含む写真による実態撮影)と荷役機械の種類,吊り上げ能力等に関する調査をメーカーへのヒアリング調査等により行ったものである. これにより以下の知見を得た.
(1)日本の港湾の舗装で修繕が緊急に必要とされる施設が相当あり,5年から10年以内に修繕が必要とされる施設は5割に近い可能性がある.
(2)舗装の維持管理要領が全国で整備されておらず,点検方法,点検記録のデータベース化など未確立である.
(3)半たわみ性舗装,PC版,RC版などの使用が増加し,ブロック舗装は使われていない.
(4)荷役機械については,AGV及びリーチスタッカなどが使われており,トランスファークレーンは41tが主流となっている.
(5)トラッククレーンのアウトリガーの接地圧は,他の港湾荷役機械より格段に大きく,アウトリガーの下に剛性のある広い鉄板を敷くことが必要である.
これらの結果は新しい港湾の施設の技術上の基準の基礎資料となる. |