研究成果概要


国総研資料 第 213 号

【資 料 名】 水圧膨張実験における遮水シート・不織布の変形強度特性に関する研究

【概   要】  本研究では,遮水シートを有する管理型廃棄物埋立護岸遮水工を対象とし,地震動や不等沈下等によって遮水工の遮水シート敷設面に陥没や欠落穴等の空隙が発生し遮水シートおよび不織布が宙づりになった状態を想定して,遮水シートおよび不織布が上載荷重を受け膨張変形する際の変形破断挙動を検討した。このような膨張変形を再現するため,本研究では水圧膨張実験を行った。実験ではシート厚さ,水温,折れ曲がりの有無が遮水シートの変形強度特性に及ぼす影響について検討を行った。その結果, 厚さ1.5mmと3.0mmの軟質PVCシートの破断時水圧はシート厚さに比例して増加し,破断時膨張変位は厚さによらず一定であること,ひずみは放射方向, 周方向ともに膨張頂部付近で最も大きく,シート取付部に向かって減少する傾向があること等の特性が明らかになった。
 これらの結果に基づいて,遮水 シートの水圧,膨張変位の各値からシート取付部における応力および平均的なひずみを換算する手法を考案し,一軸引張試験における破断時性能と比較した。 その結果,水圧膨張時の破断強度,破断時ひずみは一軸引張破断時と大きく異なる値を示した。これより,遮水シートの変形強度特性を把握するためには 実際の現場において想定される遮水シートの応力状態を考慮し,それに対応した実験および評価手法によって検討すべきであることが示唆された。

【担当研究室】 沿岸防災研究室

【執 筆 者】 狩野真吾,小田勝也,近藤三樹郎



表 紙 23KB
中 扉 85KB
目 次 36KB
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奥 付 15KB

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