研究成果概要


国総研資料 第 212 号

【資 料 名】 HFレーダーによる東京湾のM2潮流観測

【概   要】  東京湾において最も支配的な流れの一つであるM2潮流の空間分布をHFレーダー観測によって求めた.HFレーダーとAD(C)P観測結果から求めたM2潮流楕円を比較した結果,HFレーダー視線方向流速誤差には偏りが存在し, そのため,十分な数の観測データを使い最小自乗法に基づいて潮流楕円を求めた場合でも,潮流楕円の精度は観測点におけるビーム交差角度の影響を受けることが明らかとなった.4局のHFレーダー観測結果から湾内ほぼ全域における妥当なM2潮流分布を得ることができた.このことは,東京湾全体における潮流分布を同時に精度良く把握するためには, すくなくとも4局以上のHFレーダーが必要であることを示唆している.位相は,湾内ほぼ全域で60−70°の範囲であるが,富津岬沖で20−40°程度位相が進んでいた.また,湾内の西側に比べて東側の位相が進んでいる様子は,既往の研究結果に見られたようには明確な形では現れなかった.

【担当研究部】 沿岸海洋研究部

【執 筆 者】 日向博文



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