研究成果概要


国総研資料 第 129 号

【資 料 名】 季節変動を考慮した時系列分析プログラムの作成と航空関連需要分析への適用性について

【概   要】 行政や研究における航空データについては, これまで年間ベースで扱われることがほとんどであり,季節変 動に対してはあまり注意が払われていなかった。それは需要予 測や施設計画が年ベースの数字を基に議論されてきたことから も明らかであろう。しかし,空港の容量限界の実態把握や関西 国際空港をはじめとする空港の経営分析,さらには航空需要の 特徴と機材配分の関係の分析などには,年ベースよりもむしろ 月ベースでデータ分析を実施することが望ましいと考えられる 事項も少なくはない。また,最近特に航空需要予測に対する世 間の目は厳しく,総務省行政評価局や会計検査院による指摘は 記憶に新しい。しかし将来の経済指標等の前提条件の変化等に より,長期的な需要予測が実績と乖離することについてはある 程度は不可避であり,さらに,現在の航空関係の全国需要予測 モデルは世界最先端の研究成果を踏まえた学術的にもこれ以上 のものはないと言われる手法を用いており,そういった点を鑑 みれば航空行政を担う国としても十分に責務を果たしていると いっても過言ではない。しかし,短期予測の確実性の向上とい う視点では,別の手法が存在する。上述した2つの問題意識, すなわち季節変動特性の考慮と短期予測の確実性の向上を検討 可能にする手法が,本稿でのテーマである時系列分析である。 もともと経済分野では時系列データを用いた将来予測手法は古 くから多く研究されており,完成度の高い手法が体系的にまと められている。実際,時系列分析モデルについてはパッケージ ソフトでも販売されているが,ここでは今後の発展性を考慮し て,とりあげたいくつかの時系列解析手法について,理論的背 景を把握した上で,Box=Jenkins法を中心に,汎用性のある時系 列分析プログラムの作成を行った。また作成したプログラムの 概要を理論的背景や解法のアルゴリズムと共に紹介し,さらに 航空関連需要データを用いて試行的に分析を行ったものである。

【担当研究室】 空港計画研究室

【執 筆 者】 杉村佳寿,石倉智樹,広瀬宗一,山口高男



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中 扉 92KB
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