2 非接触式路面塩分測定技術開発の試み 車載型で、線的に連続した路面塩分量を計測する技術の開発を目的とし、ループコイルを用いた塩分計測技術を取り上げ、予備試験を行ったのでその結果を紹介します。 |
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(3)試験結果 図2に、ペーパタオル枚数を濃度に換算した周波数別の濃度と損失変化率の関係を示します。図から、塩分濃度が高くなるにつれて、損失がほぼ正比例して大きくなっていることが分かります。 |
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![]() 図2 周波数別の塩分量と損失変化率 |
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周波数別に見ると、周波数が高いほど損失変化率が大きくなっていますが、500Hz以上の周波数で変化率が周波数の変化によらない値を示していることや、低濃度溶液に対して高い周波数で測定を行った場合、損失の変化が表れにくいことから、今回条件では、周波数500〜600Hzの電流を流しての測定が妥当といえます。 図3は試験2の結果であり、周波数600Hzの電流を流して測定したデータを用いて、溶液の深さが損失に与える影響について検討したもので、溶液の深さを塩分量に換算し、溶液深さ別の塩分量と抵抗変化率の関係を示しています。 |
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![]() 図3 塩分量と抵抗変化率(試験2,600Hzデータ使用) |
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溶液の深さが損失に与える影響がないとすれば、理論上、2つのデータ(溶液深さ2.5cmと5.0cmに対する測定値)は同じ値を示すことになります。図3をみると、両者が非常に接近した値であることから、損失変化率は、溶液中の塩化物量に大きく依存し、今回使用したループコイルの仕様で、溶液深さ5.0cm程度の場合、溶液の深さによる損失への影響は、非常に少ないことが分かりました。 図4に、試験3結果の一例を示します。使用したコイルは30cm角5巻、溶液は塩化ナトリウム溶液、試験室内温度-5℃の条件で行ったものです。 |
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![]() 図4 試験3での溶液濃度と損失変化率 |
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試験3では、図4に示した条件以外の測定においても、溶液や測定機の凍結等の問題から、データが非常にばらつき、薬剤種別の損失特性や、溶液温度が損失に与える影響を定量化出来ませんでした。
(4)まとめ (文責:服部) |