令和７年２月２６日に発生した大船渡市林野火災における
建築物等の被害調査報告（速報）を公開しました

令和7年6月27日

　令和７年２月２６ 日に発生した大船渡市林野火災では多数の建築物等が被害を受けました。国土技術政策総合研究所及び建築研究所は、建築物等の被害実態や被害要因の把握のため、現地調査及び関連資料の分析等を進めてきました。これまでの調査結果を整理し、調査報告（速報）を公開しましたのでお知らせいたします。

＜概要＞

主な調査結果は以下のとおり。

　○令和７年２月２６日に発生した大船渡市林野火災では、広範囲に森林が焼損した。森林からの距離が近いほど建築物等の
　　被害率が高い傾向が見られた。
　○飛び火による延焼状況を把握する上での手がかりとなる燃えさし（消し炭となった木片等）の多くは雨等で流失していた
　　と考えられるが、カーポートの屋根上等の一部に残されていた状況からは、相当の密度で火の粉が降下したと推定され、
　　建築物等の被害の一因となった可能性がある。
　○住宅以外の付属的な納屋、倉庫、物置等、簡易な構造物の焼損が目立った。このような簡易な構造物を経由して建物に延
　　焼した可能性がある。
　○周囲に、漁具や可燃性の物品が置かれている建物が多く確認できた。これらの可燃性の物品に飛び火して延焼し、建物へ
　　延焼した可能性がある。
　○人工衛星データを用いて、延焼拡大した燃焼範囲の時間的変化を推定し、その結果に基づき延焼方向や延焼速度等を整理
　　した。
　○今後は、今回の林野火災が大規模火災に至った要因、そして、多くの建築物等に被害が及んだ要因の分析を含めて、さら
　　に調査及び分析を進めていく予定である。これに伴い、本報告の内容には修正が加えられる可能性がある。
　○本資料は、国総研ホームページ及び建研ホームページで公開しています。
　　ダウンロード先ＵＲＬ：
　　https://www.nilim.go.jp/lab/bbg/saigai/R7/ofunatokasai.pdf
　　https://www.kenken.go.jp/japanese/contents/topics/2025/R7_6_27_ofunato.pdf
　
　※同時発表：国立研究開発法人建築研究所


記者発表資料（PDF）

（問い合わせ先）
　　 国土技術政策総合研究所　建築研究部　建築災害対策研究官
　　　 山口　陽（内線　4326）
　　　 TEL：029-864-4437　E-mail:yamaguchi-a92ta@mlit.go.jp