波の作用による海辺の流れ
波の働きによって、海辺に発生する流れのことを「海浜流」といいます。
その中でも、岸(陸)に沿っての流れを「沿岸流」といい、岸から沖(陸から海)へ向かっての流れを「離岸流」といいます。
海水浴の時に、「離岸流」に巻きこ込まれてしまうと沖(海)に流されてしまって岸(陸)に戻れなくなってしまうことがあります。
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 図-1 離岸流のイメージ「海辺に親しむ(山海堂)」より引用 |
離岸流が発生している場所
離岸流の存在は見た目にはなかなかわかりません。しかし、離岸流が発生している場所は、周囲よりも波の砕けかたが小さかったり、海水が濁っていたりすることが多いので注意深く観察すると見つけることができます。
また、突堤やヘッドランドなどの海岸構造物の横側では強い離岸流が発生している場合があります(図-2参照)。
危険な場所は、遊泳禁止になっている場所が多いので、そういった場所には絶対に近づかないようにしましょう。
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 鹿島灘のヘッドランド
海岸構造物近くの離岸流
「茨城県の海岸」 「現場のためのQ&A選集」 より引用
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 染料を使った調査の様子(動画ファイルはこちら)
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離岸流からの脱出方法
離岸流は、オリンピック選手ではないとさかのぼれないほどの速さで流れています。(1m/s〜2m/s)
したがって、普通の人が離岸流に巻きこ込まれた時に、単純に岸(陸)に向かって泳いでしまうと、いくら泳いでも岸(陸)にたどり着けずに体力ギレになってしまいます。
みなさんが、もし離岸流に巻き込まれた時には、慌てずにできるだけ陸地と平行に泳いで、離岸流から脱出しましょう(図-3参照)。離岸流の幅は、20〜30mくらいなので、25mプール分くらい岸(陸)と平行に泳げば脱出できるでしょう。
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 図3 離岸流からの脱出方法 |
< 参考図書 >
海辺に親しむ(海岸を知り、楽しむためのガイドブック)山海堂
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