【資 料 名】 |
コンクリート橋の塩害対策資料集(第3回塩害調査)
―実態調査(近接目視)に基づくコンクリート橋の塩害対策の検討― |
【概 要】 |
近年,海岸線近くに位置するコンクリート構造物において,塩分が浸透し内部の鋼材が腐食することでコンクリートにひびわれ,剥離等が生じる「塩害」が深刻化している.
道路橋においては,1984年(昭和59年)に新設橋に対して海からの飛来塩分に起因する塩害への対策として「道路橋の塩害対策指針(案)・同解説」が出版され,一定の成果を上げた.
しかし,その後の被害実態や研究による知見から,例えば100年を超えるような長期の耐久性を考えたときには塩害対策指針(案)・同解説で規定している対策内容では必ずしも十分でない場合があることが明らかになってきたことなどから,2000〜2001年(平成12〜13年)に全国的なコンクリート橋に対する第2回塩害調査が行われ,その結果等を反映し,2002年(平成14年)に「道路橋示方書・同解説」の改訂によって,塩害の影響による最小かぶりの見直し等の塩害対策が盛り込まれた.
すでにこの改訂から10年が経過しており,2003年度(平成15年度)からは,改訂された「橋梁定期点検要領(案)」(2004年(平成16年)3月)に基づき,新たに近接目視を主とする点検方法が採用され,さらに塩害の影響地域に位置するコンクリート橋については塩害に関する特定点検も行われていることから,今回,第3回塩害調査として,コンクリート道路橋(直轄国道)の近接目視による定期点検結果を用いて塩害対策についての検討を行い,新たな塩害実態データに即した塩害対策や既存対策の見直しの必要性に関する基礎資料を得たので,本報告書ではその内容について報告するものである. |
【執 筆 者】 |
玉越隆史,窪田光作,星野誠,横井芳輝 |
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