【概 要】 |
航空機運航の信頼性を確保するためには,空港基本施設の積雪による交通障害を防ぐことが肝要である.これを実現するための方策として融雪装置を導入するこ
とが有効と考え,一連の室内試験ならびに実大規模試験施工を実施した.
その結果,次のような結論が得られた.
(1)室内試験
融雪装置を導入した表・基層の供試体に対するホイールトラッキング試験の結果からは,融雪装置を導入することによっても変形や動的安定度に及ぼす影響は
ほとんどみられない.
(2)試験舗装
a)荷重に対する弾性応答であるたわみは,融雪装置を導入することにより若干大きなものとなる.これには温水パイプ,電熱線といった融雪装置による違いは
明確ではなく,また融雪装置の埋設深さによる違いも明確ではない.
b)航空機荷重の繰り返し走行によって生ずる舗装表面形状の変化は,走行回数の増加に伴って著しくなるものの,融雪装置を導入することによりその状況が異
なるような傾向はみられない.
c)10,000回の繰返し走行載荷後に実施した舗装の解体調査の結果からは,表面に近い層ほど累積変形が著しい事がわかった.
d)航空機荷重が加わった場合に融雪装置に生ずる応力について三次元有限要素解析を実施した結果からは,それらの応力は破壊応力にたいして十分安全である
とわかった.
以上のことから,融雪装置の空港アスファルト舗装への導入については十分可能であるとまとめられる. |