下水道を考慮した氾濫現象は、下水道管路内から地表面への溢水、地表面での湛水または流下、 地表面から下水道への流入からなる複雑な水理現象です。
NILIMモデルの大きな特徴は、このような下水道管路からの溢水が地表面を流下して拡散する現象と、
下水道管路の流下状況を判定して再び下水道管路へ戻る現象を解析することができる点にあります。
最新のNILIM2.0では、大別して河道モデル、氾濫モデル、下水道モデルに分かれ、河川からの破堤・溢水に起因する外水氾濫、
下水道からの溢水による内水氾濫、これらを組み合わせた内外水複合氾濫までのあらゆる水理現象に対応することが可能です。
![]() |
![]() |
NILIM2.0 構成モデル |
下水道モデルと地表面氾濫との関係 |
下水道管内は開水路流れ、圧力流れを考慮しており、マンホールからの噴き出し→内水氾濫の過程を再現することが可能です。
NILIMモデルは、国総研において地表面氾濫水と管路内水位との関係を水理実験により確認しており、この実験係数により、
マンホールからの溢水量・流入量の算定を行っています。
実験の様子
NILIMモデルでは、氾濫原を表すメッシュ上に様々な構造物や排水施設をモデル化することが可能です。
これによって構造物による氾濫水の移動阻害や水路等による流水の移動、排水機場による河川への排水等の氾濫水の水理状況への影響を
考慮することが可能であり、河道や下水道への行き来も考慮できます。
本システムは簡易なインターフェイスを備えています。 解析結果の湛水状況、管路水位、河川水位等を確認できるほか、
複数の計算ケースの入出力ファイルを管理する機能を持っています。
入出力ファイルの管理 | 湛水深図(時系列、最大湛水深) |
---|---|
![]() |
![]() |
人孔水位の時系列図 | 管路水位の縦断図 |
![]() |
![]() |
河川水位縦断図(時系列図、最高水位) | 雨量の時系列図(入力データ) |
![]() |
![]() |
雨量の適用域図 | |
![]() |