近年、集中豪雨や度重なる台風の上陸により、全国各地で大規模な水害が発生しており、とりわけ、局所的な豪雨の影響を受けやすい中小河川において甚大な災害が発生しています。
これらは、いまだ災害に対する施設の整備水準が低いことも大きな要因ではありますが、地球温暖化の影響ともいわれている激しい雨の増加や雨の降り方などの自然的状況の変化に加えて、少子高齢化などの社会的状況の変化に伴う地域防災力の低下及び災害時要援護者の増加などに起因した新たな災害の様相を呈するものでもありました。
こうした状況の中、財政面の制約の厳しさ、上下流・本支川の治水安全度バランスの考慮などといった状況と折り合いを付けつつ、河川管理者、地域の防災対策を担う関係自治体、さらには地域住民が一体となって、
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効率的・効果的な治水対策の推進
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災害発生時における実効的な危機管理の実現
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住民などの危機管理意識の向上
を目指していくため、流下能力等のデータにより河川の整備状況を把握・評価し一般に公表していくことが必要と考えています。
しかしながら、中小河川では、河道縦横断測量、水位・流量観測等が十分に実施されていない箇所も多く存在し、流下能力などの基本的かつ重要な情報が不足しているのが実情です。
以上の背景から、全国の1級水系内の中小河川について、従来のデータ収集・解析手順にこだわらず、簡便な手法で全国同一の尺度による治水安全度評価を実施することを目指して、中小河川の測量“空白区”を一挙に解消すべく、広範囲の地形データを高密度で簡便に取得できる航空レーザ測量を活用して治水安全度評価を行いました。
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