研究成果 論文(概要)

タイトル
 歩車共存道路における屈曲部の形状と速度抑制効果に関する研究
概要
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 歩行者の交通安全のための道路構造の工夫として、凸部、狭窄部、屈曲部などを道路に設置し車両の速度を抑制する方法がある。このうち屈曲部は車道を屈曲させてドライバーにハンドル操作をさせることで走行速度の低下を狙ったものであるが、速度を十分に抑えるためには屈曲部のふり幅を大きくするなど一般に道路の幅員を広く必要とする。
 一方で、屈曲部は景観やまちづくりの観点から活用される場合も多く、歩車共存を目指していると思われる道路で、歩道がなく幅員の広くない(ここでは道路幅員6m程度を想定。以下、一般的な幅員とする)場合でも使われている例もあり、交通安全の対策として以外でも活用場面が多いと考えられる。
 このことから、一般的な幅員の歩車共存道路で速度抑制効果のある屈曲部の形状を示すことができれば、景観やまちづくりの観点での整備の中で、交通安全に寄与する屈曲部の活用が広がる可能性が考えられる。一般的な幅員の歩車共存道路における車両の速度抑制であれば凸部、狭窄部が効果のある道路構造として既に広く活用されつつあるものの、これらの構造の主な効用は車両のドライバーに対し速度低下を促すことであり、現状では景観の向上やにぎわい創出等へ直接的に寄与するものとは言い難い。
 そこで本研究は、景観やまちづくりの観点での整備の中で車両の速度抑制を図ろうとする場合の道路構造として、凸部、狭窄部以外の選択肢が増えるよう、一般的な幅員で歩車共存が特に目指されるような道路に適用可能で、速度抑制効果を有する屈曲部の形状を示すことを目的とする。
書誌情報
 都市計画論文集55巻3号
著者
 大橋 幸子, 小林 寛