研究成果概要

国総研資料 第 1333 号


【資 料 名】 潮位偏差に対する再現確率統計量の空間分布推定のための極値統計解析手法
【概   要】

 近年の気候変動の影響により,日本付近の台風の強度は強まり,日本の南海上で猛烈な台風の存在頻度が増加すると予測されている. これに伴い,現在及び将来の気候条件下において発生する潮位偏差を極値統計解析により,確率的に評価する必要性が高まっている.  潮位偏差に対する極値統計解析においては,気象擾乱の移動経路,移動速度等の偶然的不確実性により,極値の抽出地点によって統計的変動性の影響を強く受けるため,再現確率統計量の空間分布を推定することが重要である. 実務における潮位偏差に対する極値統計解析手法としては,波浪データに対して一般的である,合田の分布関数への当てはめによる手法が適用されることが多い. この手法では,候補とする分布関数の形状母数の値が数種類に固定されているため,地点毎に最適合の分布関数を選定した場合,全地点で同種の分布関数(形状母数)が最適合であるとは限らず, 隣り合う地点で選定される分布関数(形状母数)が異なることで,再現確率統計量の空間分布が不連続となる場合がある.  本研究では,潮位偏差に対する再現確率統計量の空間分布を精度良く推定するための極値統計解析手法を提案した. また,三大湾を対象とした高潮推算結果を用いて極値統計解析を行い,一般的手法(合田法)による解析結果と比較することで,本研究の手法の有効性を検証した.

【担当研究室】 港湾・沿岸防災研究室
【執 筆 者】 成田裕也、本多和彦


研究資料全文

全 文

27,208KB
 

1. まえがき

1.1 研究の背景・目的
1.2 既往研究
1.3 構成

2. 極値統計解析手法

2.1 一般的手法
2.2 本研究の手法

3. 使用データ

4. 一般的手法による極値統計解析結果

4.1 分布関数の選定結果および閾値の設定
4.2 再現確率統計量の推定結果
4.3 適合性の評価
4.4 変動性の評価

5. 本研究の手法による極値統計解析結果

5.1 閾値および分布関数の選定結果
5.2 再現確率統計量の推定結果
5.3 適合性の評価
5.4 変動性の評価

6. 一般的手法と本研究の手法との比較

6.1 適合性の評価結果の比較
6.2 変動性の評価結果の比較

7. まとめ

7.1 主要な結論
7.2 今後の課題および留意点

謝辞

参考文献

付録A 代表地点における分布関数の当てはめ結果(合田法)

付録B 代表地点における再現確率統計量の95%信頼区間の推定結果(合田法)

付録C 代表地点における分布関数の当てはめ結果(本研究の手法)

付録D 代表地点における再現確率統計量の95%信頼区間の推定結果(本研究の手法)