研究成果概要

国総研資料 第 1330 号


【資 料 名】 維持管理に着目した既存港湾施設の3次元モデルの要件設定及び簡易作成手法
【概   要】

 新設の港湾施設で導入が進められているBIM/CIMは,点検診断結果の検索性の向上や性能低下度・劣化度の視覚的把握など,維持管理においても生産性向上が期待される技術であるが, 既存港湾施設の3次元モデルの作成や維持管理におけるBIM/CIMの活用は,未だほとんど行われていない.
 BIM/CIMに関する現行の基準類は,主に新設の港湾施設を対象としていることから,本研究は,直杭式横桟橋を事例として,維持管理に着目した既存港湾施設の3次元モデルの要件を検討した. 検討の結果,維持管理における特定の利用用途を想定することにより,3次元形状データの詳細度は,対象の構造形式が分かる程度(詳細度200)で問題無いことが分かった.また,維持管理計画書及び一般定期点検診断報告書を利用することを想定し, 維持管理で特に重要な属性情報をテキストデータで直接付与し,それ以外の属性情報は参照情報を外部参照する方針で,維持管理段階の属性情報の要件を提案した.
 さらに,新たな計測作業や専門技術者によるモデル作成作業を可能な限り省略し,経済的に3次元モデルを作成するため,パラメトリックモデリングによる既存港湾施設の3次元モデル作成手法を開発した. 開発した手法は,維持管理計画書や一般定期点検診断結果などの既存資料から,特別なソフトウェアを用いずに3次元形状データを作成し,3次元モデルに属性情報を付与するものである.

【担当研究室】 港湾情報化支援センター 港湾業務情報化研究室
【執 筆 者】 辰巳大介・里村大樹・川上司


研究資料全文

全 文

1,681KB
 

1. はじめに

1.1 背景と目的
1.2 既往研究
1.3 用語の定義

2. 既存港湾施設の3次元モデルの要件設定

2.1 要件設定の検討方法
2.2 要件設定の検討結果
2.3 要件設定に関する考察

3. パラメトリックモデリングによる3次元モデルの簡易作成手法の開発

3.1 3次元モデルの簡易作成手法の開発
3.2 3次元モデルの簡易作成手法の試行結果
3.3 3次元モデルの簡易作成手法に関する考察

4. おわりに

4.1 主要な結論
4.2 今後の課題

参考文献