研究成果概要

国総研資料 第 1317 号


【資 料 名】 マルチビーム測深を活用した基礎捨石均しの出来形管理に関する検討(その2)
【概   要】

 国土交通省では,建設現場における省人化対策,生産性向上の取組として,「i-Construction2.0」の推進を行っている. 港湾分野では,浚渫工,基礎工,ブロック据付工,本体工,海上地盤改良工等の多くの工種でICT施工が行われている. 基礎捨石均しに関して,機械均しについては,施工履歴データを用いた出来形管理要領が策定された. 一方で,人力均しについては,前報でマルチビーム測深による出来形管理手法の検討を行ったが,マルチビーム測深による誤差の影響を軽減するために 標定点による水深補正が必要となること,天端幅・延長の評価する手法等の課題があり,出来形管理要領の策定には至っていない.
 本本研究では,マルチビーム測深を活用した基礎捨石均しの人力均しの出来形計測作業の効率化,生産性向上を目標として, 標定点による補正を必要としないマルチビーム測深の1m平面格子データによる均し面の平坦性評価及び潜水士の1箇所以上の水深計測による均し面の設計水深に対する 定量評価の2種類の評価による出来形管理手法を提案し,その手法による出来形管理精度の検討を行った.
 本均し6工事,荒均し4工事の現地試験結果による検討を行った結果,本均しの天端高,天端幅・延長の平坦性の評価は, 均し面の1m平面格子が許容範囲内となる割合(達成率)が80%を超え,提案手法により従来の出来形管理基準と同等の評価が可能であることが確認できた. また,荒均しの天端高,天端幅・延長の平坦性の評価及び法面の評価についても達成率80%を超え,提案手法により従来の出来形管理基準と同等の評価が可能であることが確認できた. これらの結果は,本研究で提案した手法を基に基礎捨石均しの人力均しに関するマルチビーム測深を活用した出来形管理要領を策定するための基礎資料として有用である.

【担当研究室】 港湾情報化支援センター 港湾業務情報化研究室
【執 筆 者】 大倉翔太・辰巳大介・川上司・里村大樹


研究資料全文

全 文

13,921KB
 

1. はじめに

2. マルチビーム測深を活用した基礎捨石均しの出来形管理の課題と提案手法

2.1 マルチビーム測深を活用した基礎捨石均しの出来形管理の課題
2.2 マルチビーム測深を活用した基礎捨石均しの出来形管理手法の提案

3. 基礎捨石本均しの出来形管理手法の現地実証

3.1 現地実証の方法
3.2 現地実証の結果
3.3 出来形管理手法の評価

4. 基礎捨石荒均しの出来形管理手法の現地実証

4.1 現地実証の方法
4.2 現地実証の結果
4.3 出来形管理手法の評価

5. おわりに

5.1 本研究の結論
5.2 今後の課題

謝 辞

参考文献