【概 要】 |
国内における港湾の設計基準として,「港湾の施設の技術上の基準・同解説」(日本基準) が利用されており,
現行の日本基準は,国際規格における構造物の設計法に対応した荷重抵抗係数アプローチによる部分係数法を導入し,
仕様規定型から性能規定型に移行している.一方,海外における港湾の設計基準として,
英国規格協会(British Standards Institution)が発行するBS6349 (Maritime Works)とその関連規格が広く利用されている(BS規格).
しかしながら,両基準による設計体系は異なるため,それぞれの基準による設計結果の相違も不明である.
本研究は,鋼管杭を利用した直杭式横桟橋の基本設計を対象として,日本基準とBS規格の両基準による設計条件のうち,設計への影響が大きいと考えられる項目に絞り,両基準の方法を採用した桟橋の比較検討を行い,設計結果(鋼管杭の断面諸元)に及ぼす影響を把握することを目的とした.はじめに,両基準による設計条件の特徴や相違点の整理を行い,両基準の各条件による直杭式横桟橋の設計結果に及ぼす影響を定性的に評価した.次に,両基準における地震条件(鉛直震度を考慮するか否か)および部分係数・荷重組合せ・応力照査式のみの相違に着目し,直杭
式横桟橋の杭の応力照査と支持力照査の比較検討を行った.最後に,日本基準およびBS規格の両基準を適用した場合の杭の支持力推定式(特性値)の比較を行った.
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