国総研資料 第 1101 号 |
【資 料 名】 | 防舷材の使用環境を考慮した設計法の導入に向けた検討 |
【概 要】 | 防舷材は,船舶の係留施設への接岸・係留時に,船舶と係留施設の双方の損傷を防止するために設
置されるものであり,国内ではゴム防舷材が採用されることが多い.ゴム防舷材の性能は,船舶接岸
時に防舷材が吸収できるエネルギー量と防舷材からの最大反力により評価される.ゴムの材料特性か
ら見ると,温度や船舶の接岸速度といった使用環境によりゴム防舷材の性能は変化し,海外では性能
変化を反映できる設計も行われている. 近年,国内でもゴム防舷材のより合理的な設計法と試験法が検討され, 2018年に「ゴム防舷材の 設計法と試験法に関するガイドライン」((一財)沿岸技術研究センター)の発刊により,使用環境を 考慮したゴム防舷材の設計(新設計法)が可能となった.しかしながら,新設計法の導入に向けては, 各港湾での設計温度の設定手法を定めるとともに,設計法の切替えによる防舷材の規格選定に及ぼす 影響程度を予め確認する等の検証が必要である. 以上のことから,本検討では新設計法の適用を円滑に進めるために以下の検討を行った.まず,ゴム 防舷材の特性と現行設計法について整理し,次いで国産防舷材を対象として使用環境による性能変化 を表す3種類の係数値を防舷材メーカーより取得し,各係数の傾向等を示した.次いで全国の港湾の 気温の統計データを基に設計温度の設定条件を検討し,参考値を算出した.最後に,温度および接岸 速度等の影響を考慮した場合の吸収エネルギーと最大反力に及ぼす影響評価を行った. 検討の結果,新設計法の適用により現行設計法に比べてやや経済的な防舷材の選定が可能になる一 方,製品により性能値の振れ幅が大きいため製品選定をより慎重に行う必要があること,寒冷地では 反力値が大きくなる傾向にあることなどを示した. |
【担当研究室】 | 港湾研究部 |
【執 筆 者】 | 中村健・中村俊之・宮田正史・米山治男・加島寛章 |
表 紙 | |
中 扉 | |
目 次 | |
本 文 | |
奥 付 | |
全 文 | 5,481KB |