【概 要】 |
著者らは,環境改善事業の 1 つである造成干潟の適切な維持・
管理に役立つ環境価値の定量化手法を開発した.干潟は生物の生息場や人と海との触れ合いの場として貴重な場である反面,
開発等の圧力によって近年衰退している場である.そのため,国内の各地で干潟の保全・再生・創造の環境改善事業が実施されている.
本手法では,各環境価値に対して,自然システムおよび社会システムにおける各環境価値と環境因子の関係を明確にし,
環境価値の得点にそれらの環境因子の状態を反映させている.また,本手法は過去 5 年間の情報を加味することによって,
持続可能性を考慮することができる.その結果,本手法は,対象とする造成干潟の環境価値および持続可能性を高めたい際に,
どの環境因子を重点的に改良・対策するのが効果的であるかを示すことができる.本手法は,干潟の保全・再生・創造の環境改善事業において
効果的なアプローチを示すことができる有益な手法である.
本資料では,東京湾の 4 つの干潟に対して本手法を用いて評価した事例を用いて,本手法で得られる得点および持続可能性指数の活用に
ついて示す.
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【執 筆 者】 |
岡田知也、秋山吉寛、黒岩寛、内藤了二、渡辺謙太、 棚谷灯子、桑江朝比呂 |
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