研究成果概要


国総研資料 第 1067 号

【資 料 名】 港湾分野におけるCIM導入促進に向けた検討

【概   要】  人口減少社会を迎えている我が国では持続的な経済成長のためには,働き手の減少を上回る生産性の向上が必要である.国土交通省は,2016年を「生産性革命」元年と位置付け,建設業においてi-Constructionを推進している.
 i-Constructionは,あらゆる建設生産プロセスにおいて生産性を向上させる取り組みで,トップランナー施策のひとつ「 ICT の全面的な活用」において,生産性革命のエンジンとしてCIM (Construction Information Modeling/Management)を導入している.CIMは計画・調査・設計段階から3次元モデルを導入することにより,その後の施工,維持管理の各段階においても3次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし,一連の建設生産システムの効率化・高度化を図る取り組みである.
 CIMの取り組みは陸上分野に比べて港湾分野では非常に少なく,業務や工事において参考となる資料が少ない状況である. 本検討では,港湾分野におけるCIMの導入促進に向け,港湾構造物におけるモデル詳細度等のCIM の基本事項に関する指標の提示,作図や活用の際に想定される課題への改善案の提示を行った.
 CIMの基本事項に関する指標として,「港湾分野におけるモデル詳細度標準(素案)」と「港湾施設のモデル作成指針(素案)」をまとめた.また課題への改善案として,浚渫工における土量計算方法の3次元未対応箇所への対応策を提案している.
 本稿では,検討結果が今後の試行等に活用されることを想定し,以上の知見をとりまとめている.

【担当研究室】 港湾施工システム・保全研究室

【執 筆 者】 吉田英治、井山繁



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