【資 料 名】 |
平成25年山口・島根豪雨災害及び台風第18号災害に関する調査
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【概 要】 |
本報告書は、平成25年に発生した主な水害として、山口・島根豪雨及び台風第18 号に伴う水害について、被害の状況、被害を引き起こした氾濫流の氾濫過程、危機管理の状況の観点から2013年〜2014年に行った資料調査、現地調査、聞き取り調査の結果をとりまとめたものである。 平成25年7月の山口・島根豪雨は、阿武川、田万川、須佐川等の比較的小規模で急勾配の河川に急激な水位上昇と氾濫をもたらし、浸水の他堤内地地盤の侵食や建物や橋梁等の損壊・洗堀被害が生じた。これら地域において被災家屋は2,000戸以上、洪水によると見られる死者・行方不明者は2名であった。河川水位が短時間で氾濫危険水位を超過したため避難勧告が遅れる傾向にあったが、河川水位と併せて雨量を避難勧告等の基準としていたことにより氾濫前に避難勧告を発令した自治体も見られた。 同年9月に発生した台風第18号に伴う豪雨では、近畿地方北部・中部、紀伊半島南部を中心に記録的な大雨がもたらされ、滋賀県の金勝川、鴨川、京都府の由良川では堤防決壊や氾濫による被害が発生した。滋賀県・京都府における被災戸数は約8,000戸に上り、洪水によると見られる死者・行方不明者は1名であった。また京都市では、安祥寺川の氾濫流が道路等を経由して地下トンネルの坑口より地下空間に侵入し、御陵駅構内が浸水するという被災事例が見られた。河川が水位周知河川に指定されていない、夜間・悪天候により河川の変状況を把握できなかった等により、氾濫発生前に避難勧告が発令されなかった等の危機管理上の課題も見られた。 |
【執 筆 者】 |
伊藤 弘之,武内 慶了,湯浅 直美,山本 晶,大浪 裕之 |
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