研究成果概要


国総研資料 第 837 号

【資 料 名】 鉄筋腐食発生限界濃度等が桟橋上部工のライフサイクルコストに及ぼす影響に関する一考察

【概   要】  高度経済成長期に集中的に整備された社会資本の老朽化が進行するなか,限られた予算でこれら多くの社会資本を適切に維持するためには,施設のライフサイクルコスト(LCC)を踏まえた設計,維 持管理を行うことが必要である.
 港湾分野に目を向けると,主要な港湾施設である係留施設のなかでも特に桟橋の上部工は塩害による劣化が激しいため,維持管理手法に配慮することでLCCが大きく削減できるとされており,これまでも多くの研究が重ねられてきた.
 一方で,これら既往の研究では,LCC算出の際にコストに大きく影響する鉄筋腐食発生濃度等の劣化に関するパラメータを特定の環境条件を想定して設定しているが,本来,これらは施設が設置される環境条件に応じて変化するものである.
 本研究では,桟橋上部工のLCCの算出にあたり,様々な環境条件で活用できることを念頭に,劣化に関する複数の主要なパラメータに幅を持たせ,LCCの試算を行った.
 また,実際の施設整備における維持管理手法の選択の際には,LCCに配慮が必要な上部工だけでなく,下部工を含む初期建設費用との総額を踏まえた検討がなされることが適当であることから,両者のコストを踏まえた検討を行ったものである.

【担当研究室】 港湾施工システム・保全研究室

【執 筆 者】 坂田 憲治,井山 繁,宮田 正史,佐藤 徹,竹信 正寛



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