研究成果概要


国総研資料 第 451 号

【資 料 名】
日中地域間アジア国際産業連関表を用いた貿易・開発政策の地域別影響分析

【概   要】
近年,中国をはじめとするアジア諸国においてみられる経済・物流の急速な拡大は,国際的な自由貿易協定・経済連携協定の締結や各国による開発政策等により,さらに加速する可能性がある.
このような協定・政策がわが国の貿易・物流に与える影響を的確に把握するためには,精緻なデータおよび分析ツールが必要とされる.
本分析は,従来,一国単位で推計されることが多かった貿易・開発政策の日本・中国発着の貿易額への影響について,『日中地域間アジア国際産業連関表』を用いることにより,日本8地域・中国7地域間について詳細に把握・分析しようとするものである.
モデルの一貫性・凡用性を確保するため,既存の一般均衡貿易モデル(GTAPモデル)を基本とし,これを地域間産業連関表のデータを利用して分割する手法をとる.
結果として,基本モデルの枠組みを維持したまま,比較的簡便に,経済連携協定の締結・港湾投資による輸送コストの削減・地域開発など,経済条件の変化による貿易・交易状況の変化を地域別に計算することが可能となった.
公刊されたデータ等を用いて,一般均衡の枠組みの下で,地域間の産業連関を明示的に考慮した貿易・交易分析が行える可能性を示す点において,本論文は,今後,地域貿易分析およびこれを利用した将来貨物量予測に対して重要な役割を持つと考えられる.

【担当研究室】 港湾システム研究室

【執 筆 者】 米本清,柴崎隆一,渡部富博



表 紙 184KB
中 扉 210KB
目 次 210KB
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奥 付 54KB


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