研究成果概要


国総研資料 第 236 号

【資 料 名】 陸域・河口域における土砂・栄養塩の動態に関する研究

【概   要】  感潮域における水質変化および年間を通じた負荷量収支は困難であったが,洪水時も含めた栄養塩負荷流出量を従来よりも正確に算定することが可能な手法を開発し現地へ適用し,河口域も含めた通年の土砂・栄養塩収支の算出を行った。河口域に流出する懸濁物質負荷は面源の寄与が大きく, 河口域に流出した懸濁態栄養塩の約半量は溶出して海域に供給されると推定された。以上により河口域の土砂・栄養塩供給においては,洪水時の上流からの土砂供給が主要因となるが,更に平常期の潮汐による土砂移動および溶出が副要因であることが明らかとなった。陸域から供給された土砂は河口域に一時的に蓄積して土砂に含有されているリン化合物が底質から溶出する 形で海域に供給されることを筑後川河口部および有明海北部における形態別リンの分析から明らかにした。また,本資料では感潮域における土砂の凝集・高濁度水塊の観測も行い,塩水フロント遡上時の高濁度水塊は通過箇所で巻揚げられた底泥が主成分であることを音響観測と懸濁物質の化学分析によって明らかにした。

【担当研究室】 河川研究室

【執 筆 者】 末次忠司,日下部隆昭,横山勝英,山本浩一



表 紙 54KB
中 扉 129KB
目 次 212KB
第1章 序 論  258KB
第2章 2,222KB
 陸域・河口域における土砂・栄養塩負荷量計測技術の開発
第3章 1,693KB
 河川感潮域における懸濁物質の凝集と高濁度水塊の遡上
第4章 5,371KB
 河口域における土砂・栄養塩収支
第5章 3,405KB
 陸域からの流出土砂・懸濁態栄養塩の河口干潟域における堆積特性
第6章 結 論 272KB
奥 付 36KB

全 文 13,602KB