【資 料 名】 |
廃棄物海面処分場遮水シートの突き破り抵抗に関する研究 |
【概 要】 | 本研究では,管理型廃棄物埋立護岸の遮水工において,遮水材として用いられる遮水シートが敷設面に敷き並べられた裏込石の突起がシートに発生する変形や破損に対してどのような影響を及ぼすかを把握するため,様々な条件下における室内試験を行った.実験で使用した遮水シートは,管理型廃棄物埋立護岸の遮水工に現在多く使用されている塩化ビニル(PVC)製遮水シートである. 実験の結果,自由樹脂や石膏,モルタルを用いた突起物貫入時の遮水シートのひずみ分布計測方法を確立し,それによって遮水シートが突起物の貫入を受けた際のひずみ分布を計測することが可能となった.また,単体の裏込意思を貫入させた場合,遮水シートは突起先端近傍で円弧状に破断し,さらに破断箇所と変形中における最大塑性ひずみの発生箇所が一致した. これらから,突起物の貫入による遮水シートの破断は,同箇所における変形が限界ひずみを超えた瞬間に起こったひずみ支配型破壊であり,100%を超える局部的な塑性ひずみが破断の直接的な原因であることが明らかになった.複数個の裏込石を敷き並べた裏込地盤上に設置した遮水シートの耐圧試験において,裏込不陸の二次元分布と遮水シートのひずみ分布を比較した結果,高ひずみの発生箇所と裏込突起には密接な関連性があり,裏込突起がシートの局所変形に直接的に関わったことが示された. また,その時のひずみ分布は突起先端近傍において最大を示し,単体の裏込石の貫入時におけるひずみ分布と一致する結果が得られた.このことから,実際の施工現場に近い裏込法面の不陸形状が遮水シートの変形に及ぼす影響を把握する場合,単体の裏込石の貫入による遮水シートの変形挙動を適応することが可能であると考えられる. |
|