【資 料 名】 |
空港整備に係る費用便益分析マニュアルの日米比較 |
【概 要】 |
我が国の公共事業評価には一般的に費用
便益分析が用いられている。平成8年度の橋本内閣総理大臣
の費用対効果分析の活用指示が費用対効果分析の行政での活
用の発端となったのだが,以後公共事業評価の一指標として
大きな役割を果たしていると評価できる一方,手法自体に対
する認識不足により数字の一人歩きが横行している印象も拭
いきれない。平成10年3月には,「運輸関係公共事業の新
規採択時評価実施要領」,「運輸関係公共事業の再評価実施
要領」が発表され,新規採択時評価あるいは再評価の実施根
拠が一層明確になると同時に,費用対効果分析に対する社会
の認識が一層高まる契機となった。当然実施のためのガイド
ラインも必要となり,他事業と前後して平成11年6月には
「空港整備事業の費用対効果分析マニュアル1999」が策
定され,空港整備に係る費用便益分析に対して説明責任を負
う形となっている。また,平成13年5月には総務省より内
閣府・国土交通省に対し,空港の整備に関する行政評価・監
視の勧告が出されていが具体的内容の一部として費用対効果
マニュアルの見直しも含まれている。この勧告を受け,13
年9月以降学識経験者からなる委員会を開催し,その検討結
果に基づき平成15年3月にはマニュアルが一部改定されて
いる。以上のような経緯を鑑みれば,現マニュアルは最新の
知見を盛り込んだ学術的にも完成度の高いものだと思われる
。しかし,社会的状況を踏まえながら引き続き事業評価手法
を高度化していくことは依然として重要である。本稿では,
空港整備に係る費用便益分析手法の高度化を目的とし,航空
先進国かつ事業評価先進国である米国の費用便益分析マニュ
アルについてその内容を整理し,我が国のマニュアルとの違
い及びその背景について考察する。 |
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