研究成果概要


国総研資料 第 124 号

【資 料 名】 廃棄物海面処分場遮水工に用いられる遮水材の変形強度特性

【概   要】 本研究では,廃棄物海面処分場の遮水工に現在 多く使用されている塩化ビニル(PVC)製遮水シートおよび短繊維不 織布について,単軸引張り変形中に遮水シートに発生する応力,ひ ずみの温度依存性,ひずみ速度依存症,ならびに遮水シート,不織 布の応力緩和特性を把握するための室内試験を行い,得られた結果 について粘弾性モデルによる定量評価を試みた。その結果,温度の 増加にに対して遮水シートの破断強度は減少し,逆に破断ひずみは 増大した。また,ひずみ速度の増加に対して遮水シートの破断強度 は低ひずみ速度領域(〜250%/min)で増大する傾向が見られ, 破断ひずみは若干の増大傾向を示した。遮水シートの応力緩和曲線 はひずみ量によらずほぼ一定の傾向を示し,120分後の応力は初 期応力の34%に緩和されたが,不織布の場合はひずみ量の増加と ともに緩和率が増大する傾向を示し,最も緩和率の大きい場合でも 120分後の緩和率は68%程度であった。以上の結果について, 3要素および5要素粘弾性モデルを用いた遮水シートの単軸引張り 変形に関する温度依存式,ひずみ速度依存式,および遮水シート・ 不織布の応力緩和に関する予測式を提案した。

【担当研究室】 沿岸防災研究室

【執 筆 者】 狩野真吾,諸星一信,小田勝也,近藤三樹郎



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中 扉 85KB
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