【資 料 名】 |
コンテナトレーラーの燃料消費特性の把握 |
【概 要】 | 港湾整備は大規模な施設整備を伴うとともに,整備後の港湾活動にも大きな影響を与える.これらの活動は大量の資材やエネルギーを消費し多くの温暖化ガスを排出するため,その低減のための努力が求められる.温暖化ガス排出の低減効果を正確に把握するためには,資材生産・施工から施設の運用・解体廃棄に至るライフサイクル全般にわたる温暖化ガス排出量を適切に推計することが必要となる.
特に港湾施設などインフラストラクチャーは一般の工業製品と比較してライフサイクル期間が長いため,運用時の評価がより重要となる.港湾施設の運用時に排出される温暖化ガスの中では,コンテナ輸送に由来するものが大きな位置を占めるため,コンテナトレーラーによる陸上輸送時の発生量を正確に把握することが不可欠である.一般的なトラックの走行時の環境負荷原単位については従来数多くの調査・分析がなされてきたが,コンテナトレーラーのように総重量が10トンを超える車両を対象とした分析はまだ端緒に付いたばかりである.
そこで本研究では,環境に配慮した港湾施設整備計画に資することを目的として,港湾エリアや高速道路を走行してコンテナトレーラーの燃料消費量の測定を行った.そのデータを基に,燃料消費量に与える要因について定量的な分析を行った.
その結果,速度帯別に燃費の平均値を算出したところ,一般道路・高速道路ともに,平均速度が変化しても燃費には大きな変化は生じなかった.これは,平均速度の増加に伴う,空気抵抗の増加と加速抵抗の現象が相殺された結果と考えられる.燃料消費量の実測値と走行抵抗に対する仕事量の推定値の間にはかなり良い対応が認められ,燃料消費量は車両重量,速度,加速度によってほぼ説明することができた.
車両重量及び平均速度を変数としてコンテナトレーラーの燃費の推計式を作成し,推計値と実測値された値の比較を行ったところ,比較的よい相関が得られ,燃費推計式の有効性を示すことができた.これらの結果は,港湾整備に伴う環境負荷を検討する際の基礎資料となるものである. |
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