研究成果概要


国総研資料 第 100 号

【資 料 名】 高強度コンクリートの空港舗装への適用性

【概   要】 わが国の空港コンクリート舗装に用いられるコンクリートは, 設計基準曲げ強度 5N/mm² を標準としており,それ以外のものを適用した事例はほとんどない。本研究は, 設計基準曲げ強度を高めたコンクリートの空港舗装への適用性について検討したものである。具体的には, 省資源ならびにコスト縮減という観点から,セメント,骨材,混和剤等として一般的な材料のみを用い,水セ メント比を小さくすることによる高強度コンクリートについての研究・開発を行っている。本研究は,室内試験 と試験施工の二項目で構成される。室内試験では,配合試験により,配合設計をする上において注目すべ き事項について検討し,最適配合を見出した。まず,基礎的な考察から,粗骨材の選定が高強度を得るた めに重要であること,単位水量および細骨材の選定が施工性に及ぼす影響が大きいこと等の知見を得た。 そして,小型施工機械を用いた検討を行って,空港舗装用に最適な高強度コンクリートの配合を明らかにした。 試験施工は高強度コンクリートを用いて実規模大のものを実施した。その結果,高強度コンクリートを用いた 空港コンクリート舗装の施行は,通常コンクリートのものと同様の方法により行うことが可能であるが,養生時 期・方法等に十分注意する必要があることが確認された。また,高強度コンクリート版の自然環境下における 挙動,荷重支持特性ならびに疲労特性は通常コンクリートと変わるものではないことから,これを用いた空港 コンクリート舗装の構造設計法としては現行のものをそのまま適用可能であるとわかった。

【担当研究室】 空港施設研究室

【執 筆 者】 八谷好高,坪川将丈,松崎和博,阿部寛,早野公敏,秋元洋胤,亀田昭一,佐々木健一,栩木隆



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