研究成果概要


国総研資料 第 93 号

【資 料 名】 均し精度がケーソン底版断面力に及ぼす影響について〜その2〜

【概   要】 本研究は,捨石マウンドの 均し精度(不陸量)がケーソン底版曲げモーメントに及ぼす影響を評価するための手法を提案し,提案手法を用い た基礎的な検討結果を報告するものである。評価手法の構築にあたっては,はじめに実際の捨石を用いた大型 模型載荷実験を実施し,捨石マウンドの支持機構を明らかにした。次に,実験結果に基づいて,捨石マウンドによ る支持機構を確率的に表現する反力モデルを構築し,構築した反力モデルと底版のFEM解析及びモンテカルロ 法を組み合わせて,底版曲げモーメントを確率的に評価する手法を提案した。最後に,提案した評価手法を用い て,均し精度が底版曲げモーメントに及ぼす影響について基礎的な検討を実施した。載荷実験の結果,捨石マウ ンドによる支持機構は,極めて不均質かつ離散的なものであり,現行設計法で想定しているケーソン底版に作用 する反力分布である線形分布荷重とは全く異なる支持機構であることが明らかになった。また,本実験では,マウ ンドの表面均しを専門とする潜水士によって,”本均し”及び”荒均し”の異なる表面凹凸のマウンドの載荷実験を 実施したが、今回の実験条件下では,両者の支持機構の相違は認められなかった。次に,提案した評価手法を用 いることにより,均し精度が異なる捨石マウンドからの反力作用による底版曲げモーメントの確率分布特性を把握す ることが可能となることを示し,併せてマウンド不陸量が底版最大曲げモーメントの設計値からの増加程度に及ぼ す影響について定量的な結果を示した。提案手法による解析結果から,底版最大曲げモーメントのばらつきは非常 に大きく,またその期待値は,ほぼ全ての計算ケースで線形分布荷重によって発生する最大曲げモーメント(設計値) を上回ることが明らかになった。この傾向は,特に底版中央部の最大曲げモーメントで顕著であった。

【担当研究室】 港湾施設研究室

【執 筆 者】 宮田正史,森屋陽一,長尾毅,菅野高弘



表 紙 22KB
中 扉 104KB
目 次 22KB
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奥 付 15KB


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