研究成果概要


国総研資料 第 45 号

【資 料 名】 東アジアにおける国際海上コンテナ貨物流動モデルの構築

【概   要】  世界経済のグローバル化を背景に,海外との貿易が重要性を増しており,大量輸送が可能な海上輸送が大きな役割を果たしている.特に,梱包や荷役などが容易で,安全かつ確実な輸送が可能な国際海上コンテナ輸送は,中国をはじめとするアジア諸国の経済発展ともあいまって,その進展がめざましい. またコンテナ輸送に関しては,大型コンテナ船の出現,コンソーシアムの再編,高雄港(台湾)・塩田港(中国)・光陽港(韓国)をはじめとするアジア近隣諸国での相次ぐ大深水コンテナターミナル整備など,近年その輸送環境が大きく変化している.
 このようななか,今後の港湾整備のあり方を考える上で,これら輸送環境の大きな変化が我が国の積替え(トランシップ)貨物量などに与える影響を分析することが急務の課題となっている.そこで本分析では,国際海上コンテナ貨物流動モデルの構築にあたり重要となる国際海上コンテナ貨物量や国際海上コンテナ航路の状況について動向分析を行うとともに,東アジアから北米への貨物流動を国・地域といったマクロな視点で捉え,国際海上コンテナ貨物流動モデルの構築を行った.
 その結果,我が国でのトランシップ貨物を含め,東アジア地域を中心とする国際間のコンテナ貨物流動を,各国に就航しているコンテナ船の寄港頻度や海上輸送コスト,港湾諸料金などで説明するモデルが構築できた.
 また,構築したモデルにより,船舶の大型化に伴う海上輸送コストの低減や港湾諸料金の値下げといった輸送条件の変化が,我が国をはじめとする各国のトランシップ貨物量,海外へのフィーダー貨物量に与える影響を定量的に示すことができた.

【担当研究室】 港湾システム研究室

【執 筆 者】 平井洋次,田中淳,渡部富博



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