【資 料 名】 |
アジア圏を中心とした国際海上コンテナのOD貨物量推計に関する研
究 |
【概 要】 |
世界経済のボーダレス化の進展,中国を中心とするアジアの急速な
経済発展等に伴い,アジア発着を中心に国際海上コンテナ貨物流動量は増加の一途をたどっており,
各国の港湾においても国際競争が激しくなっている.このような状況のなか,コンテナ船のさらなる大型化や各国における港湾整備・ソフト施策の進展,船舶の
運航形態の変化等がコンテナ流動に及ぼす影響について議論するためには,その前提として,基礎的データとなる各国・地域間のコンテナ貨物流動量を十分に把
握しておく必要がある.特に,国際海上コンテナの輸出入港湾やトランシップ港の選択行動をモデル化し,将来シナリオ分析や政策評価を行うためには,貨物の
真
の発着地に関する情報(純流動ベースのOD)が必要不可欠である.さらに,わが国の港湾においても地域や港湾の規模によって港勢圏・背後流動や輸出入港湾
選択行動等の状況は様々であり,また周辺に中国など経済規模も面積も巨大な国もあることを鑑みれば,国ベースの流動量を把握するだけでは不十分であり,一国をできる
だけ分割した地域ベース(ゾーンベース)で貨物流動量を把握する必要がある.しかしながら,国際海上コンテナ流動に関する公表資料や研究の多くは,入手で
き
るデータの制約もあり,部分的・断片的であることが多く,逆に全世界的な流動の推計についてみると,細かい地域区分はされていない.また,純流動・総流動
の区分が不明なものも多い.
そこで,本研究では,国際海上コンテナ貨物の純流動量(OD量)について,必要箇所については地域ベースにまでブレイクダウンした推計を行うため,既存の
関連資料の整理を行ったうえで,国・大陸間および地域間のコンテナOD貨物量の推計方法とその結果について示すものである.具体的には,東・南アジア諸国
については国単位,その他世界については大陸単位でOD貨物量を推計したあと,日本および中国発着貨物を中心に,東・南アジア諸国発着貨物における地域間
OD貨物量を推計するものである. |
【執 筆 者】 |
柴崎隆一,渡部富博,角野隆,神波泰夫 |
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